その本の「はじめに」には、著者の「伝えたいこと」がギュッと詰め込まれています。この連載では毎日、おすすめ本の「はじめに」と「目次」をご紹介します。今日は藤吉豊さん、小川真理子さんの 『「勉強法のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』 です。
【はじめに】
本書は、勉強法の名著「100冊」のエッセンスを1冊にまとめたものです。
「大学教授、予備校・塾講師、脳科学者、ジャーナリスト、セミナー講師、評論家、高学歴タレントの多くが身につけている勉強法のコツを1冊にまとめてみよう」
「博識な人、インプットがうまい人、勉強を楽しんでいる人が大切にしているコツを、重要なものから順に身につけてもらおう」
というコンセプトに従っています。
勉強法はひとつではありません。さまざまなスペシャリストが、さまざまな勉強法を公開しています。「ノートに書きとめる」「何度も読んで覚える」「声に出して覚える」「問題を繰り返し解く」など、勉強法にはいくつもの選択肢があります。
本書の制作にあたって、筆者の藤吉豊(ふじよしゆたか)と小川真理子(おがわまりこ)は、勉強法や読書法、インプット法の名著100冊を精読(せいどく)しました。その結果わかったことは、
「勉強法に精通した人たち、勉強ができる人たちの多くが認める共通のノウハウがある」
ことです。
勉強法の名著100冊に書かれてあった共通のノウハウを洗い出し、ランキング化したのが本書です。本書では、その共通のノウハウを「大事な順」に紹介します。
◆ランキングの決め方
本書では、勉強法の著者の多くが「大切だ」と考えている共通のノウハウを集めるために、次のような手順を踏みました。
(1)「勉強法」をテーマにした本を「100冊」購入
勉強法や読書法、インプット法のベストセラー、ロングセラーなどを購入。選定の基準は216ページに詳述。
(2)どの本に、どんなノウハウが書かれているのかを洗い出す
本を精読し、「これは大切」と書かれているコツを見つける。
(3)共通のノウハウをリスト化する
洗い出したノウハウを「似た内容」ごとにまとめる。そのノウハウが掲載されていた本の「冊数」を数える。たとえば、
●「復習の必要性」について書いてあったのは、○冊
●「計画の立て方」について書いてあったのは、○冊
●「時間の使い方」について書いてあったのは、○冊
●「参考書選び」について書いてあったのは、○冊……など。
(4)ノウハウをランキング化する
ノウハウを「掲載されていた本の冊数」によって順位付けする。
この手順で作成したのが、次のページのランキングです。
◆ランキングの活かし方と、本書の構成
100冊から抽出した40項目を、本書では3つに分けました。
●1~8位(➡Part1へ)
多くの著者が「大切」だと説く8つのノウハウ。
入学試験・資格試験の勉強、仕事のスキルを高めるための勉強、教養を身につけるための勉強など、勉強の目的を問わず、すべての人に必要な基本ルールが集まりました。
この8つは、
「効率良く勉強する」
「知識を記憶に定着させる」
「モチベーションを高める」
ために不可欠なノウハウです。
●9~20位(➡Part2へ)
「1位から8位まで」を理解した上で、さらに勉強の成果を上げていくためのノウハウです。
●21~40位(➡Part3へ)
著者によって意見が分かれるノウハウ。「20位まで」をおさえた上で取り入れてみてください。
本書において、筆者の藤𠮷と小川は、勉強法のナビゲーター役です。
2人の主観は入れず、「100冊に書かれてある内容」を客観的、機械的にまとめながら共通のノウハウを抽出し、項目・要点ごとに整理して「大事な順」に並べました。
項目ごとに完結しているため、どこから読んでいただいてもかまいません。それぞれのポイントを体系的に理解できます。
◆キーワード「共通のノウハウ」
本書では、「複数の本で紹介されている共通のノウハウやルール、コツ」に注目し、まとめ直すという作業を行いました。
たとえば、「短期間に繰り返し復習をすると、記憶に定着しやすい」と複数の本に書かれていたら、それは、勉強法の著者の多くが認めた「共通のノウハウ」です。
「複数の本に同じノウハウが書かれてある」のは、「それだけ大事だから」です。
100冊の中に、「1回」しか紹介されていないノウハウは、著者独自のノウハウ、あるいは、「その本の著者は大事だと思っているけれど、ほかの著者は重要視していないノウハウ」の可能性があります。
100冊中「50冊」に書かれてあるノウハウと、100冊中「1冊」にしか書かれていないノウハウでは、「50冊」に書かれてあるノウハウのほうが汎用性(はんようせい)・一般性・再現性は高い、つまり、身につきやすく、真似しやすく、多くの人に役立つノウハウであると解釈できます。
「1回しか紹介されていないノウハウよりも、複数の本に紹介されているノウハウを先に身につけたほうが、効率良く勉強できる」
「共通のノウハウを意識して勉強をすれば、才能を問わず知識を増やすことができる」
と、私たちは考えています。
◆本書のメリット
本書のメリットは、おもに次の9つです。
②才能を問わず、誰もが学力、知力を伸ばすことができる。
③モチベーションを維持する方法がわかる。
④集中力を高めるための時間の使い方がわかる。
⑤「勉強をしたほうがいい理由」がわかる。
⑥勉強を「楽しむ」ための心構えがわかる。
⑦「今の自分に合った勉強法」がわかる。
⑧入学試験、資格取得、スキルアップなどの目的を問わない
勉強法がわかる。
⑨最短距離、最短時間で結果を出すための勉強法がわかる。
◆本書の対象者
本書は、職業・年齢・目的を限定せず、多くの人の学力向上、知力向上に役立つように構成しています。
● 入学試験を控えている学生(または、その親)
● 学校の成績を上げたい学生(または、その親)
● 資格取得を考えている方
● 一般教養を身につけたい方
● スキルアップ、キャリアアップのために知識、スキルを身につけたいビジネスパーソン
● 予備校、塾、学校の講師・教師(勉強を教える立場にいる方)
「勉強法の本はたくさんあって、どれを読んでいいかわからない」
「必要な情報やデータをインプットする方法を知りたい」
「もっと効率のいい勉強法に変えたい」
「いろいろな勉強法の本を読んだけれど、どれも結果につながらなかった」
「勉強が苦手な子でも飽きないような勉強のしくみをつくりたい」
「勉強をしたいけれど、まとまった時間がとれない」
「勉強を始めても、いつも三日坊主(みっかぼうず)で終わってしまう」
本書が、こうした悩みを持つ方の助力となれば、これほど嬉(うれ)しいことはありません。
株式会社文道 藤𠮷豊/小川真理子
【目次】
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