その本の「はじめに」には、著者の「伝えたいこと」がギュッと詰め込まれています。この連載では毎日、おすすめ本の「はじめに」と「目次」をご紹介します。今日は藤𠮷豊さん、小川真理子さんの『 「リーダーシップのベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。 』です。

【はじめに】

 本書は、リーダーシップをテーマにした名著「100冊」のエッセンスを1冊にまとめたものです。
 「経営者、コンサルタント、評論家、ビジネスコーチ、研修講師など、さまざまな立場でチームづくりに関わる人たちが大切にしているコツを、重要なものから順に身につけてもらおう」
 「リーダーシップや組織のあり方について研究している大学教授や専門家が重要視していることを1冊にまとめてみよう」
 というコンセプトに従っています。

 本書の制作にあたって、筆者の藤𠮷豊(ふじよしゆたか)と小川真理子(おがわまりこ)は、「リーダーシップ」の名著100冊を精読しました。その結果、
 「リーダーシップは一部の人の生まれ持った資質やカリスマ性ではなく、身につけられる技術であること」
 「リーダーのふるまいや考え方が、チーム全体の生産性や成長スピードに大きく影響すること」
 がわかりました。

 リーダーシップには数多くの理論やスタンス、実践方法があり、著者によって切り口はさまざまです。ですが、そのノウハウは百人百様ではなく、共通のノウハウが数多く見受けられました。
 リーダーシップの名著100冊に書かれてあった共通のノウハウを洗い出し、ランキング化したのが本書です。本書では、その共通のノウハウを「大事な順」に紹介します。

◆ランキングの決め方

 本書では、著者の多くが「大切だ」と考えている共通のノウハウを集めるために、次のような手順を踏みました。

(1)「リーダーシップ」をテーマにした本を「100冊」購入
 リーダーシップやマネジメントをテーマにしたベストセラー、ロングセラーを購入。選定の基準は216ページに詳述。

(2)どの本に、どんなノウハウが書かれているのかを洗い出す
 100冊を丁寧に読み込んで、リーダーシップのノウハウ(コツ・要点)を抜き出していく。

(3)共通のノウハウをリスト化する
 表計算ソフトを使って、洗い出したノウハウを「似た内容(同じノウハウ)」ごとにリスト化。そのノウハウが掲載されていた本の「冊数」を数える。たとえば、
●「目標設定の仕方」について書いてあったのは、○冊
●「心理的安全性」について書いてあったのは、○冊
●「権限委譲の仕方、仕事の任せ方」について書いてあったのは、○冊
●「人事評価」について書いてあったのは、○冊……など。

(4)ノウハウをランキング化する
 ノウハウを「掲載されていた冊数」によって順位づけする。

 この手順で作成したのが、次のページのランキングです。

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◆ランキングの活かし方と、本書の構成

 100冊から抽出した40項目を、本書では3つに分けました。

●1~7位(➡Part.1へ)
 多くの著者が「大切だ」と説く7つのノウハウ。
「チームの成果が上がらない」「風通しが悪い」「失敗を恐れてチャレンジできない」「仕事をうまく任せることができず、抱えてしまう」「チームや部下に活気がない」など、多くのリーダーの悩みを解消する「基本ノウハウ」が集まりました。
 この7つのノウハウを使ってチームを率いていけば、組織全体が自走し、持続的に成果を生み出せるようになります。

●8~20位(➡Part.2へ)
「1位から7位まで」を理解した上で、さらにチーム力を引き上げていくためのノウハウです。リーダーとしての意思決定のポイント、部下教育の注意点、公平な評価の仕方など、日常のマネジメントに活かせる実践知を紹介します。

●21~40位(➡Part.3へ)
 部下との対話の仕方、多様性のあるチームづくり、人材採用と人材配置、モチベーションの高め方など、より具体的なリーダーシップについて紹介します。「20位まで」をおさえた上で取り入れてみてください。

 本書において、筆者の藤𠮷と小川は、ナビゲーター役です。読者と同じ目線に立って、読者と同じ疑問を持って、100冊の要点を客観的に洗い出し、共通のノウハウを「大事な順」に並べました。
 項目ごとに完結しているため、どこから読んでいただいてもかまいません。それぞれのポイントを体系的に理解できます。

◆キーワード「共通のノウハウ」

 本書では、「複数の本で紹介されている共通のノウハウやルール、コツ」に注目し、まとめ直すという作業を行いました。

「Aさんは『リーダーはまず目的を語れ』と言っている」
「Bさんも、『目的があいまいな組織ほど、メンバーの迷いが大きくなる』と書いている」
「Cさんの本にも、『目的とその意図を共有すれば、部下は自ら動き出す』とある」
「Dさんは、目的が共有されていないチームは『漂流する船だ』と表現していた」
「Aさんも、Bさんも、Cさんも、Dさんも、表現に違いはあるけれど、『目的を共有せよ』と言っている。ならばこれは、リーダーシップにおける共通のノウハウに違いない」

 このように、「目的設定の重要性」について複数の本に書かれていたら、それは、100冊の著者の多くが認めた「共通のノウハウ」です。

◎共通のノウハウ……経営者、コンサルタント、評論家、ビジネスコーチ、研究者など、「リーダーシップの本」の著者の多くが大切にするノウハウのこと。100冊の中で、何度も目にしたノウハウ。


 複数の本に同じノウハウが書かれてあるのは、「それだけ大事だから」です。
 100冊の中に、「1回」しか紹介されていないノウハウは、「著者独自のノウハウ」「限定的な場面でのみ効果のあるノウハウ」の可能性があります。
 100冊中「50冊」に書かれてあるノウハウと、100冊中「1冊」にしか書かれていないノウハウでは、「50冊」に書かれてあるノウハウのほうが身につきやすく、真似しやすく、多くの人に役立つノウハウであると解釈できます。

本書の9つのメリット

①メンバーの力を引き出し、成果を最大化する方法がわかる。
②リーダーとしての信頼を高める考え方が身につく。
③部下の主体性を育てるコミュニケーションが取れる。
④チームの心理的安全性を高める方法が理解できる。
⑤変化や失敗に強いチームを築ける。
⑥「人に任せる力」「人を育てる力」が高まり、マネジメントに余裕が生まれる。
⑦リーダー自身が「自分らしいリーダー像」を見出せる。
⑧人が辞めないチームづくりのヒントが得られる。
⑨責任の重さに悩むリーダーが、自信と希望を取り戻せる。

◆本書の対象者

本書は、業種や職種、年齢を問わず、「人をまとめる立場にあるすべての人」に役立つリーダーシップのヒントをまとめています。

●チームのマネジメントに悩んでいる方
●プレイングマネジャーとして多忙な毎日を過ごしている方
●部下育成や評価の難しさを感じている方
●リーダーとして自信が持てない方
●チームがうまく機能していないと感じている方
●「理想のリーダー像」と「現実の自分」にギャップを感じている方

「リーダーシップの本はたくさんあってどれを読んでいいかわからない」
「どの方法が自分に合っているのか、わからない」
「自分のリーダーシップの問題点を知りたい」
「部下との信頼関係が築けず、接し方がわからない」
「チームの成長が頭打ちになっている」
 本書が、こうした悩みを持つリーダーの助力となれば、これほどうれしいことはありません。

株式会社文道 藤𠮷豊/小川真理子


【目次】

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