その本の「はじめに」には、著者の「伝えたいこと」がギュッと詰め込まれています。この連載では毎日、おすすめ本の「はじめに」と「目次」をご紹介します。今日は左三川郁子さん(編著)、日本経済研究センター(編著)の『 ポスト非伝統的金融政策 検証 日本銀行 』です。

【はじめに】

 本書は、新しい時代の中央銀行論をテーマとしている。日本銀行が四半世紀にわたり実施してきた非伝統的な金融政策を振り返り、将来再びデフレと闘うことになった場合に備えて政策判断の材料を提供することを目的としている。政策当局者でも市場参加者でもない第三者の視点から、金融政策の効果と副作用を検証し、今後の課題を提示する。

 植田和男総裁が就任後初めて出席した2023年4月の金融政策決定会合で日銀は、「金融政策運営について、1年から1年半程度の時間をかけて、多角的にレビューを行う」ことを決めた。翌年の3月にはそれまでの大規模な金融緩和策を解除し、政策金利は本書の執筆時点(2025年8月)で0.5%と、17年ぶりの水準にある。

 日銀が2024年末に公表した報告書『金融政策の多角的レビュー』(以下、多角的レビュー)では、スタッフによる実証分析の結果に加えて、有識者の講評も掲載された。政策効果を検証する目的は、将来の政策運営にとって有益な知見を得ることにある。日本経済研究センターでも、金融研究班を立ち上げた1999年以来、主要な中央銀行の金融政策や国内金融機関の動向、預金者の行動について、データに基づく実証分析を続けてきた。特に2013年に大規模な金融緩和策である「量的・質的金融緩和(QQE)」が導入された後は、『量的・質的金融緩和』(2014)、『マイナス金利政策』(2016)、『金融正常化へのジレンマ』(2018)の各書において、金融政策の現状分析と課題を提示してきた。

 非伝統的金融政策からの出口で浮かび上がる問題を提起した前著『金融正常化へのジレンマ』を上梓してから7年が経過した。この間、日銀は大規模金融緩和を解除するとともに政策金利を引き上げ、表向きには国債の買い入れ減額(テーパリング)の旗を掲げながら、実際には巨大なバランスシートを縮小するQT(量的引き締め)を進めている。だが、植田総裁の言う「普通の金融政策」に戻るまでの道のりは、長くて険しいものになりそうである。足元では米トランプ政権の関税措置をはじめとする国際情勢や世界経済の先行きに暗雲がたちこめ、状況次第では日銀だけでなく世界の中央銀行が非伝統的金融政策に逆戻りするリスクもあるからである(早くもスイスの中央銀行であるスイス国立銀行が2025年6月に、政策金利をゼロ%に引き下げた)。日銀は金融政策のツールボックスにどの道具を残しておくべきなのか、金融正常化の過程で留意しなければならない点は何か、政策当局者が検証しにくい分野があるとすればそれは何で、どのような結論が導き出されるのか――。本書はこうした問いに答える、いわば民間版の多角的レビューである。

 本書が読者として想定しているのは、金融の分野に関心を持つ実務家や政策当局者の方々、金融を専門とする研究者や大学院生、金融論に関心を持つ学生の皆さんである。金融政策はここ数年で格段に複雑になったため、各章の冒頭に【解説編】を設けた。日銀のバランスシート政策や金利政策、国債やリスク性資産の買い入れなど、個々の政策ツールに焦点を当て、導入から政策の見直しまで一覧できる年表と基礎情報としての図表を加えた。各章の【解説編】をまとめてお読みいただくと、非伝統的な金融政策のテキストになるような構成を心がけた。金融の問題に精通している読者には、各章の【実証編】からお読みいただき、制度の詳細や基礎データなど事実関係の確認用として【解説編】をご利用いただくことをお勧めしたい。【実証編】では、個別の預金取扱金融機関の財務データや保有有価証券の内訳、店舗の設置情報、上場企業の財務データと社債の格付情報や発行状況、日銀が保有する銘柄別の国債残高、リスク性資産の上場投資信託(ETF)や不動産投資信託(J-REIT)を構成する個別株や不動産物件などのミクロ・データのほか、中央銀行が供給するマネタリーベースに含まれる日銀当座預金や銀行券の推移、金利や株価、為替レートを含むマーケットデータなど、膨大なデータに基づく分析が続く。

 本書の構成は以下のとおりである。
 序章「非伝統的金融政策を概観する」では、日銀が四半世紀にわたり実施した非伝統的な金融政策について、幅広い読者にも理解しやすいよう解説する。日銀が2024年12月に公表した多角的レビューの概要に、民間シンクタンクという第三者から見た解説を加えた。専門用語の説明だけでなく、非伝統的金融政策の効果や副作用についても、さまざまなデータを用いて検証する。

 第1章「日銀に代わる国債の担い手は誰か――事実上のQTと国債管理政策」では、日銀の資産側に積み上がった国債に着目し、日銀が国債の買い入れを減額していく過程で新たに国債の担い手となる主体を探る。QQEが導入される前の国債保有状況を考えると、最も可能性が高いのは銀行を中心とする預金取扱金融機関である。だが、日銀がマイナス金利政策を経て長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)付き量的・質的金融緩和(YCC)を実施している間に、銀行勘定の金利リスク(Interest Rate Risk in the Banking Book; IRRBB)という新たな国際金融規制が導入され、預金取扱金融機関は期間の長い国債の保有量をQQE前の水準まで戻すことが難しくなってしまった。109行にのぼる預金取扱金融機関の公表データから、保有国債の平均年限を調べ、個別の金融機関ごとに「あとどれだけ金利リスクを取ることができるか」を試算した。2025年3月期の財務データに基づくと、銀行などが追加的に購入できる国債は122兆円だった。金融政策と国債管理政策の連携強化は今後ますます重要になる。

 第2章「日銀は当座預金をどこまで減らせるか――最適なバランスシート規模」では、負債側から日銀のバランスシート規模について分析する。第1章では資産側、第2章では負債側と、バランスシートの両側からアプローチすることで、QTの終着点でもある最適なバランスシート規模を探り当てることができると考えられる。日銀は2024年以降、金利だけでなく「量」の面でも正常化を進めている。日銀のバランスシートでは、資産側では国債の残高が、負債側では金融機関が日銀に預けている当座預金の残高が減少しているが、QTをさらに進める過程では、短期金融市場で資金の不足感が強まり、短期金利に上昇圧力がかかる恐れもある。日銀は短期金融市場にストレスをかけることなく、どの程度までバランスシートを縮小させることができるのか。米ニューヨーク連邦準備銀行の試算にならい、時変係数VARの手法を用いて、日銀当座預金が減少した場合に無担保コール翌日物金利(オーバーナイト物)がどれだけ上昇するかという金利感応度を調べた。分析の結果、日銀は当座預金残高を280兆円程度まで縮小できることがわかった。これは2025年5月末の当座預金残高527兆円のほぼ半分に相当する。日銀は金融市場の混乱を避ける備えとして、ニューヨーク連銀と同様に、金利感応度や日銀当座預金の過不足をとらえる指標を公表することで、金融市場との円滑なコミュニケーションを図る必要がある。

 第3章「観察できない自然利子率と中立金利――日銀の金利政策」では、金利政策に着目する。日銀は2024年3月にそれまでの大規模金融緩和を解除し、金融正常化に向けて舵を切った。マイナスだった政策金利を段階的に引き上げ、2025年8月現在、政策金利の無担保コールレート(オーバーナイト物)を0.5%に誘導している。この水準は金融引き締め的なのか、未だ緩和的なのか。第3章では、経済・物価に対し引き締め的にも緩和的にも作用しない中立的な実質金利を意味する自然利子率を計測する。均衡実質金利やアールスター(r*, 経済学では実質金利をrで表すことが多い)とも呼ばれる自然利子率は、金融政策のスタンスが引き締め的か緩和的かを判断する際のベンチマークの一つとなる。ニューヨーク連銀が採用している手法をはじめ、自然利子率を計測する複数のモデルについて詳しい解説を試みるとともに、日本のデータを当てはめて推定した自然利子率と、これに期待インフレ率を加えた中立金利(経済を熱しも冷ましもしない名目の金利水準)を計測する。日本の中立金利は1.2~2.8%程度で、現行の政策金利(0.5%)は緩和的な水準といえるが、1人当たり消費の伸びの低下や少子高齢化は、自然利子率を押し下げるリスク要因となり得る。

 第4章から第6章までは、リスク性資産である上場投資信託(ETF)、不動産投資信託(J-REIT)、社債の買い入れ政策の効果と副作用を検証する。リスク性資産の中でも、社債やコマーシャルペーパー(CP)は満期が到来すれば日銀のバランスシートから落ちるが、ETFとJ-REITには満期がないため、日銀が売却しない限りバランスシートに残り続ける。今後、国債の買い入れ減額により事実上のQTが進むと、日銀の保有資産に占めるETFやJ-REITの割合が高まり、市場に影響を及ぼさずに売却することが難しくなる。だが、これらを保有し続ければ、常に価格変動のリスクにさらされる。日銀はそれでも非伝統的な金融政策のツールボックスに「リスク性資産の買い入れ」を残しておくべきなのか。

 第4章「リスク性資産の買い入れ――ETF買い入れは企業ガバナンスを弱めたか」では、ETFの買い入れ政策に着目する。日銀がETFの買い入れを通じて間接的にどの企業の株式を保有しているかを特定し、企業のガバナンス行動、特に企業の配当金支払いや自社株買いを含むペイアウト行動が消極的になっていたかを検証する。日銀のETFの買い入れが企業経営の規律付けを弱める可能性がある点については日銀の多角的レビューでも触れられている。買い入れ対象のETFを構成する企業2,125社のうち、日銀の株式間接保有割合が5%以上の企業グループを処置群、5%未満の企業グループを対照群とし、傾向スコアマッチングの手法を用いて推定した。分析の結果、日銀による株式の間接保有割合が高い企業では事前の予想に反してペイアウト比率が高く、間接保有割合の低い企業に比べて企業ガバナンスを強化する方向に作用していたことがわかった。さらに、日銀が保有するETFに含み益がなくなる株価水準(損益分岐点)を割り出すと、日経平均株価で20,000円程度の損益分岐点までには距離があり、日銀がただちに含み損を抱える可能性は低いこともわかった。また、非伝統的金融政策が実施されていた過去25年間の株価動向から試算すると、日銀が仮に今後25年かけて年間1.2兆円程度のETFを売却し続けても、日銀のバランスシートにはETFが残り続ける。

 第5章「J-REIT買い入れはリスクプレミアムの縮小やオフィス賃料の上昇につながったか」では、日銀のJ-REIT買い入れ政策を取り上げる。ETFと並び議論されるJ-REITだが、日銀の多角的レビューでは明示的に取り上げられていない。第5章では、日銀のJ-REIT買い入れが①リスクプレミアムの縮小につながったか、②オフィス賃料や地価の上昇につながったかを定量的に明らかにする。推定の結果、リスクプレミアムの定義によっては日銀のJ-REIT買い入れがリスクプレミアムの縮小に、また東京や大阪を含む7都市圏におけるオフィス賃料の上昇につながっていたことが観察された。次に、日銀のJ-REIT買い入れの要件と上限に基づき、日銀が過去に買い入れたJ-REITの個別銘柄と買い入れの規模を特定し、個別のJ-REITが所有する物件を調べたところ、日銀がJ-REITを通じて間接的に所有する不動産物件の52%が東京23区内に集中していることがわかった。金融政策というマクロ経済政策の効果は全国に波及することが望ましい。さらに、資産価格バブルのリスクを高めたかを検証するため、預金取扱金融機関480行庫を対象に、日銀のJ-REIT買い入れが不動産業向け貸出比率に及ぼした影響を推定したところ、特に地方銀行の不動産業向け貸出比率や不動産投資法人向けの貸出比率を上昇させていたことがわかった。また、日銀が保有するJ-REITは買い入れの停止がアナウンスされた24年3月時点ですでに評価損の一歩手前であったため、今後の金利上昇局面では減損損失のリスクも高まりやすい。日銀はETFと同様、J-REITについても将来の損失に備えて、分配金収入の一部を予め引当金として計上し、財務の安定化を図る必要があるだろう。

 第6章「累計23兆円の社債買い入れはスプレッドの縮小や設備投資につながったか」では、社債買い入れについて取り上げる。日銀が2010年12月から2024年末までの14年間で約23兆円の社債を買い入れた結果、企業の設備投資が誘発されたかを分析する。日銀の社債買い入れについては、先行研究で企業金融の円滑化や社債市場全体のリスクプレミアム縮小に寄与していた点や、企業全体の設備投資を押し上げていたという点が指摘されていたが、個別企業のリスクプレミアムのほか、ミクロレベルでの設備投資への波及経路については必ずしも明らかになっていなかった。そこで、第6章では、日銀がどの銘柄の社債をどの程度買い入れたかを試算し、リスクプレミアムに相当する社債スプレッドと個別企業の設備投資に与えた影響を1,900社を超える企業のパネルデータを用いて推定する。分析の結果、日銀の社債買い入れ政策は対象となった社債のスプレッドを縮小させていたが、設備投資に影響を及ぼしていたとの結果は得られなかった。ETFやJ-REITと比べて、日銀の社債買い入れに関しては銘柄の特定が困難で、政策効果をより精緻に検証するには、さらなる情報の開示が待たれるところである。

 第7章「プルーデンス政策――地域金融強化のための特別当座預金制度」では、日銀が金融システムの安定維持を目的に実施しているプルーデンス政策を取り上げる。2020年以降、政府と日銀は足並みを揃える形で、地域金融機関を対象とする複数の政策を導入した。第7章では、日銀が経営の合理化または合併や経営統合を進めた地方銀行などに対し、日銀当座預金(超過準備)残高に応じて上乗せ金利を支払う「地域金融強化のための特別当座預金制度」(以下、特別当座預金制度)に着目する。地方銀行と第二地方銀行99行を対象に、どの銀行がいつ上乗せ金利の要件を満たし、結果としてどの程度の上乗せ金利を受け取ったかを試算する。分析の結果、日銀から地域金融機関全体に支払われる上乗せ金利は2021年度から26年度初めまでの約5年間で総額2,600億円を上回ることがわかった。特に、規模が大きく、同制度の申請期限直前に経営統合を公表した地銀への支払いが膨らんだとみられる。日銀から上乗せ金利が支払われていた期間に、地域金融機関の利益や経営効率は改善した。コロナ危機の直後にプルーデンス政策を発動したことは、金融安定の観点からは一定の効果があったと考えられる。だが、特別当座預金制度にはコール市場での資金調達を増やし、短期金利に上昇圧力を加えていた可能性もあり、金融政策との境界が曖昧になった面もある。金融政策とのバランスを議論する上で、政策効果の検証とフォローアップも必要である。

 第8章「金利ある世界で動き出すたんす預金――店舗やATMの立地状況から銀行券の戻りを考える」では、低金利期間中に市中残高が120兆円超と戦後最高水準に膨らんだ銀行券に着目し、金利が上昇する過程でどの程度金融機関に戻るかを考える。金利が上がり始めると、人々は自宅に眠っていたお札(たんす預金)を金融機関に持って行き、窓口やATMを介して自身の預金口座に入金したり、新たに定期預金口座を開設して預け入れたり、あるいは他の金融商品を購入すると考えられる。仮に大量の銀行券が銀行の定期預金に還流すると、ALM(資産・負債の総合管理)の観点からは、金利リスク量の増大につながりかねない。また、銀行券が預金取扱金融機関を通じて日銀に還流すれば、中央銀行の無利子負債である銀行券が有利子負債の中央銀行預金(ここでは日銀当座預金)に振り替わるため、将来の財政コスト、すなわち国民負担を増大させるリスクもある。第8章では、キャッシュポイントと呼ばれる全国の金融機関の店舗やATMの設置場所を特定し、都道府県ごとに人口との関係をとらえる。30年以上も短期金利が0.5%を上回ったことのない日本で、デジタル化時代の貨幣需要関数を推計することは容易でない。低金利期間中に急増した銀行券の流通残高を考えると、還流に伴う影響は無視できず、複数のデータから状況を注視していくことが必要になる。

 第9章「金融正常化で日銀に発生する損失のシミュレーションと中央銀行の独立性」では、第8章までの分析に基づき、金融正常化の4つのシナリオに基づき、日銀のバランスシート規模と収益の見通しを試算する。出口で発生する日銀の損失は国民負担となるうえ、金利の上昇は財政の持続可能性にも影響が及びかねない。日銀が2025年6月に公表した見直し後の国債買い入れ減額計画も反映した結果、政策金利を2%まで引き上げる金利上昇シナリオや3%まで引き上げる金利急騰シナリオでは利上げに伴い日銀の当座預金への付利金利の支払いが増えるため、一時的に赤字決算に陥る可能性がある。しかし、その後は長期金利の上昇により国債利息が増加するため黒字に転換する。ETFの分配金収入が、日銀の収益の大きな柱として出口戦略を支えることになる。非伝統的金融政策の出口で発生する損失の試算においては、緩和局面で積み上がった利益を合わせて議論する必要があるだろう。

 なお、本書は2025年8月にかけて執筆したが、出版直前の25年9月18、19日に開かれた金融政策決定会合で、日銀は保有するETFとJ-REITをそれぞれ簿価ベースで年間3,300億円程度、50億円程度のペースで市場へ売却することを決めた。日銀の出口戦略に影響するとみられるが、今回決定した売却ペースであれば、本書が提示するインプリケーションは変わらない。

 第4章「リスク性資産の買い入れ――ETF買い入れは企業ガバナンスを弱めたか」では、日銀が保有ETFを年間1.2兆円程度のペースで売却しても、過去の株価トレンドから考えると日銀のバランスシートには当面、ETFが残り続けることを指摘する。日銀が25年9月に決定した売却ペースは時価ベースで年間6,200億円程度とおよそ半分の規模である。市場への影響に配慮し、緩やかなペースで売却を進めていくのだとすれば、日銀のバランスシートには当面、ETFが残り続けることになろう。

 第5章「J-REIT買い入れはリスクプレミアムの縮小やオフィス賃料の上昇につながったか」では、今後の金利上昇局面では日銀が保有するJ-REITの減損損失リスクが高まりやすく、長期保有に際しては分配金収入の一部をあらかじめ引当金として計上することを提案する。日銀が保有するJ-REITは25年3月末で時価7,086億円だが、25年9月に決定した売却ペースは年間55億円程度と市場全体の売買代金に占める割合は0.05%程度であるため、売却が始まっても、日銀のバランスシートには長期間、J-REITが残り続けるだろう。

 第9章「金融正常化で日銀に発生する損失のシミュレーションと中央銀行の独立性」では、日銀が当面、保有ETFを売却しないことを前提に、今後の金利上昇局面で生じる損益を試算し、日銀はETFの分配金収入により、赤字転落を免れると指摘する。日銀がETFの処分を開始すると、売却のペースによっては赤字発生のリスクが高まりそうだが、日銀が25年9月に示したETFの処分は緩やかなペースにとどまるうえに、巨額の含み益を抱えたETFを売却することで得られる売却益は、分配金収入とともに損失の穴埋めに充当できそうである。


【目次】

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