その本の「はじめに」には、「伝えたいこと」がギュッと詰め込まれています。この連載では毎日、おすすめ本の「はじめに」をご紹介します。今日はジョン・ドーア(著)、土方奈美(訳)の『 Measure What Matters(メジャー・ホワット・マターズ) 伝説のベンチャー投資家がGoogleに教えた成功手法 OKR 』。ラリー・ペイジ氏が寄せた「序文」をお届けします。
【序文】
アルファベットCEO グーグル共同創業者 ラリー・ペイジ
19年前、グーグルを創業したときに、この本があればよかった。いや、それよりもっと前、管理すべき相手が自分だけという時代にあったら! 僕はプロセスと名の付くものは大嫌いだが、優れたアイデアが完璧に実行されたとき、初めて魔法が起こる。だからOKRが必要なのだ。
1999年のある日、ジョン・ドーアがグーグルにやってきて、自らのインテルでの経験を引きながら、「目標と主要な結果(OKR)」とは何か、それに基づいて会社を経営するとはどういうことかを講義してくれた。僕らもインテルの経営が優れていることは知っており、ジョンの話には直観的に納得できる部分が多かった。そこでやってみることにした。グーグルでは非常にうまくいったと思っている。
OKRとは、さまざまな組織が目標に向かって前進するのに役立つシンプルなプロセスだ。グーグルでもこの間、常に使い方を見直してきた。みなさんにも、OKRを基本的枠組みととらえ、実現したい目標に合わせて、自分たちに合った使い方を見つけてほしい。

OKRを使うと、リーダーにとって組織の可視性は一気に高まる。また建設的な反論の材料となる。たとえばこんな具合だ。「なぜユーザーはユーチューブに瞬時に動画を投稿できないんだ? そのほうが君たちの次の四半期目標よりも、重要なんじゃないか?」
ジョンは本書の末尾でビル・キャンベルの思い出をすてきな言葉で語っており、僕もこの機会にひと言加えたい。ビルはすばらしく心の温かい人物で、たいていのこと、特に人物の評価においてほぼ常に正しい判断を下すという稀有な才能を持っていた。誰に対しても臆することなく「君の話はまったくくだらないな」と言うことができ、それでもなぜか相手はビルを嫌いにはならなかった。ビルの毎週のお説教が懐かしい。誰もが人生においてビル・キャンベルのようなコーチに恵まれますように! そして少しでも彼に近づく努力ができますように!
僕は序文というものをあまり書かない。それでも本書に書いたのは、あのときジョンがグーグルにすばらしい贈り物を与えてくれたからだ。OKRは僕らが10倍成長を遂げ、しかもそれを何度も繰り返すうえで重要な役割を果たしてきた。「世界中の情報を整理する」というとんでもなく大それたミッションが、もしかすると手の届くものになったのもOKRがあったからだ。本当に重要な局面で、僕をはじめ会社全体が、やるべきときに、やるべきことに集中できたのは、OKRのおかげだ。それをぜひみなさんにお伝えしたいと思ったのだ。
【目次】


