その本の「はじめに」には、著者の「伝えたいこと」がギュッと詰め込まれています。この連載では毎日、おすすめ本の「はじめに」と「目次」をご紹介します。今日は川又英紀ほか著、日経クロステック+日経アーキテクチュア編の『 関西大改造2030 万博を機に変わる大阪・京都・兵庫 』です。

【はじめに】

 2025年国際博覧会(大阪・関西万博)がいよいよ、2025年4月13日に開幕します。残り120日を切り、会場となる大阪・夢洲(ゆめしま)ではパビリオンの工事は山場を迎えました。世界最大級の木造建築物になる大屋根(リング)は円形につながり、国内勢のパビリオンは建物が完成しつつあります。日本館や大阪パビリオン、催事場や展示場も立ち上がり、25年2月ごろには竣工を迎えそうです。

 一方、海外パビリオンは開幕直前まで工事が続きます。ユニークな形や素材のパビリオンが多く、見応えある建物の輪郭が姿を現し始めました。開幕に間に合うことを願うばかりです。

 万博の恩恵を受けるのは、地元の大阪や近隣の京都・兵庫でしょう。なかでも大阪は、万博イヤーをターゲットに再開発プロジェクトが幾つも進行中。玄関口となるJR大阪駅や梅田(うめきた)周辺は街の景色が激変します。

 24年9月に一部が先行開業した「グラングリーン大阪」は、大阪駅前に広大な緑を設ける前代未聞のプロジェクト。「うめきた公園」は早くも市民や観光客の憩いの場となり、大勢の人でにぎわっています。公園を囲むように、真新しいビルが25年春までに一斉にオープンします。

 大阪市内の大動脈である御堂筋沿いや水都を象徴する堂島・中之島エリアも、新施設の開業ラッシュに沸いています。高級ホテルや展望テラス、美術館といった観光客が押し寄せそうな新スポットが目白押しです。新型コロナウイルス禍を抜け、インバウンド(訪日外国人)でごった返す心斎橋・なんばの買い物エリアにも近く、活気づいています。

 大阪を訪れる人たちを京都や兵庫に呼び込もうとする動きも目立ちます。人気の京都は、スモールラグジュアリーホテルの開業が相次いでいます。1泊10万円を超える客室も珍しくありません。外資系ホテルの進出ラッシュで、宿泊の選択肢が増えています。兵庫は神戸の海沿いに近いエリアで、集客施設が完成。京阪とは異なる魅力を打ち出し、人々が足を伸ばすのを期待しています。

 技術系のネット媒体「日経クロステック( https://xtech.nikkei.com/ )と建築雑誌「日経アーキテクチュア」は、様変わりする関西の姿を追い続けています。現場の取材から、万博が開催される2025年からその数年先までの計画が次々と判明。「大阪IR」も動き出し、2030年台前半まで大規模な施設やマンションが増え続ける見通しです。同時に交通網や歩道の整備も進みます。

 本書は大阪を中心に京都や兵庫まで網羅し、かつ大阪・関西万博の建設状況をどこよりも早く、詳しく紹介しています。写真満載の現地リポートと建築メディアならではの専門的な視点で、100年に一度とも言われる「関西大改造」の真の姿をお伝えします。

日経クロステック/日経アーキテクチュア
川又 英紀


【目次】

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