オンラインやSNSでのコミュニケーションが当たり前になり、直接相手に会って話すことに改めて苦手意識を感じる人も多いのではないでしょうか。『「話し方のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』の著者である藤吉豊さん、小川真理子さん、編集を担当した日経BP・宮本沙織さんを迎え、話し方の悩みを克服するポイントについて聞きました。今回は1回目。(聞き手は、「日経の本ラジオ」パーソナリティの尾上真也)

もう一度「話し方」の見直しを

尾上真也・「日経の本ラジオ」パーソナリティ(以下、尾上) 今回は、『 「話し方のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。 』を取り上げます。ゲストは、著者である文道の藤吉豊さん、小川真理子さん、そして編集の宮本沙織さんです。藤吉さん、小川さん、まずは自己紹介をお願いします。

藤吉豊(以下、藤吉) 私は約30年間出版の世界に身を置き、ライター、編集者としてさまざまな雑誌や書籍に携わってきました。文道を立ち上げてからは文章を書く楽しさや、具体的に文章をどう書くのかといったことを伝える仕事もしています。

小川真理子(以下、小川) 私も藤吉とスタートは一緒で、約30年前に同じ編集プロダクションに勤めていました。だいたい同じような道をたどり、2018年に藤吉と一緒に文道を立ち上げました。

「話し方」の名著から40のポイントを抽出し、ランキングで紹介
「話し方」の名著から40のポイントを抽出し、ランキングで紹介
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尾上 では早速、この『「話し方のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』を紹介いただけますか。

宮本沙織・日経BP編集者(以下、宮本) 「話し方」をテーマにしたたくさんのベストセラーから、書かれている内容をピックアップし、紹介されている数が多かったものから40のポイントをまとめました。さらに、どうすればその話し方ができるのかのノウハウや、会議やオンラインでのコミュニケーションについても紹介しています。

尾上 なぜ「話し方」に着目されたのでしょうか。

藤吉 SNSやテレワークが普及して、文章でコミュニケーションする機会が増えています。その半面、直接相手と会って話をしたり、口頭で自分の意見を伝えたりする機会は減っているのではないでしょうか。

 実際、「対面でのコミュニケーションが苦手」「会話に自信がない」「要点をうまく順序立てて説明できない」という苦手意識を持つ人は増えているようです。文化庁による平成24年度「国語に関する世論調査」では、「誰かに話をしていて、自分の言いたかったことが、相手にうまく伝わらなかったという経験がある」と答えた人が63.4%という結果もありました。今後ますますこの傾向は強くなるでしょう。もう一度「話し方」を見直し、苦手を克服する必要があるのではと感じています。

名著から「話し方」のノウハウを抽出

尾上 確かに、リアルで人と話をする機会はコロナ禍前と比べてぐんと減った気がします。それにしても話し方の本って、こんなにあるんですね。

宮本 はい、そうなんです。「100冊」と言いながら、実はちょっと多めに掲載しています。今はオンラインのコミュニケーションスキルも強く求められているのではないか、ということで何冊か足しました。

 「話し方」は昔から人間の悩みの1つで、キケロやアリストテレスの弁論術の本が現在も読まれ続けているそうです。そうした普遍的・歴史的な本も加え、結果的に104冊になってしまいました。

尾上 「話し方」は人類普遍のテーマなんですね。その104冊から、共通のノウハウを見つけ出す作業をされたということですか。

藤吉 はい。それが本書の肝であり、一番大変な作業でした。どのノウハウがどの本に書かれているのか、このノウハウは何冊の本に書かれているのか、といったことを書き出し、掲載されている本の冊数でランキング化しました。

尾上 つまり、ランキング上位にくるものは、基礎的なスキルということなのでしょうか。

藤吉 1位のノウハウは70冊に書かれていました。それを押さえずに次のステップへは行けないと思います。特に1位から7位までのノウハウは、誰が、どんなジャンルで、何を話すにせよ押さえておいた方がいい基本的なルールです。

尾上 なるほど。本書の「はじめに」にある「本書の9つのメリット」はどれも大事で、ぜひ体得したいスキルですね。

藤吉 ①緊張せずに、自信を持って話せる ②自分の言いたいことを正確に伝えられる ③相手の言いたいことを正確に理解できる ④相手を問わず、会話が弾む ⑤聞き手を不快にさせない話し方ができる ⑥「何を話したらいいかわからない」という悩みが解消される ⑦聞き手の感情を動かすスピーチ、プレゼンができる ⑧人に好かれる会話術が身につく ⑨ポータブルスキルが身につく──という9つですね。

尾上 この本をどんな人に薦めたいですか。

藤吉 9つのメリットを得たいと思うすべての人に読んでいただきたいですが、例えば「人前に出ると、どうしても緊張してしまう」「初対面の人に会うと何を話していいのか分からない」「プレゼンする機会があるのだけど、どういうふうにすれば自分の考えを伝えられるのか迷っている」など、少しでも話し方に苦手意識がある人にお薦めしたいですね。その悩みの解決策になるのではないかと思います。

尾上 そうですね。ビジネスパーソンは社内外で人と話す必要がありますし、学校の先生やYouTubeで音声配信をしている人などにも役立つと思います。私も話すことを仕事としているので、読んで勉強しないと。

藤吉 それから、「話すことが得意」だと思っている人にも読んでもらいたいんです。本当に自分の話し方が理にかなったものなのか、それを復習したり、確認したりする上でも役に立つと思いますよ。

構成/三浦香代子

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