オンラインやSNSでのコミュニケーションが当たり前になり、直接相手に会って話すことに改めて苦手意識を感じる人も多いのではないでしょうか。『「話し方のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』の著者である藤吉豊さん、小川真理子さん、編集を担当した日経BP・宮本沙織さんを迎え、話し方の悩みを克服するポイントについて聞きました。今回は3回目。(聞き手は、「日経の本ラジオ」パーソナリティの尾上真也)

話し方のポイントをシーン別に整理

尾上真也・「日経の本ラジオ」パーソナリティ(以下、尾上) 今回も、『 「話し方のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。 』の著者である藤吉豊さんと小川真理子さん、そして編集の宮本沙織さんにお越しいただいています。さて、本書には話し方のポイントを場面別に生かすという付録も付いていますね。

宮本沙織・日経BP編集者 はい。話し方のポイントを40位までまとめたランキングも役立ちますが、「プレゼン」や「オンライン」といったシチュエーションに合わせて読んでもらえるよう、付録を考えました。

オンライン、プレゼン、インタビュー…「話す」シチュエーションは多種多様。それぞれのシーンで気を付けることとは?
オンライン、プレゼン、インタビュー…「話す」シチュエーションは多種多様。それぞれのシーンで気を付けることとは?
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尾上 付録には、8つのシチュエーション別に、ランキング項目をピックアップしながらポイントが紹介されていますね。個人的には、「複数の人に対してプレゼンやスピーチをする」のところに興味があります。

藤吉豊(以下、藤吉) プレゼンやスピーチをする際のポイントを10個紹介しています。プレゼン内容のポイントが5つ、どう話すのかのポイントが5つ。ランキングの21位では「スピーチは『準備』が9割」というポイントも紹介しています。

 大事なのは、最初に何を伝えるのか整理して、スピーチ原稿をつくっておくこと。また、プレゼンをすれば当然、質問されるので、どんな質問があるかを想定し、答えを用意しておく。スピーチの練習も必要です。例えばプレゼンの時間が15分なら、どう話すのか、伝えたい内容を時間内にきちんと伝えられるのかを検証してみる。そうした事前準備が大事です。

小川真理子(以下、小川) 私も30年くらい前は本当に話せなくて、インタビューしていた人(インタビュイー)が途中で帰ってしまったことがあったんですよ。そのときに会社の先輩から「ぎりぎりまで取材準備をしなさい。そうすれば相手に失礼のないように話せるから」と言われたことがありました。だからこの本のなかでは21位ですが、私にとっては1位です。

尾上 なるほど。プレゼン内容のポイントとしては、具体的に話す、要点を絞る、導入がキモ、などがありますね。話し方のポイントは、メリハリをつける、相手の目を見る、それから身ぶり・手ぶりも大事だと。

藤吉 そうですね。それが具体的な表現や話し方につながります。

尾上 オンラインや電話で話すポイントも紹介されていますね。

藤吉 それについては、話し方にメリハリをつける、相手の目を見る、話は「短い」ほうがいい、相手の話をさえぎらない、電話は「笑顔」で応対する、という5つのポイントを紹介しています。特に「相手の目を見る」は大事ですね。

 オンラインだとパソコンの画面を見てしまいますが、画面とウェブカメラの位置が違うこともよくありますよね。自分では相手を見ているつもりでも、実際には相手の目を見ていないことが結構多いんです。ですから、画面ではなく時折カメラのほうを見ましょう。タブレット端末やノートパソコンの場合はデスクに置くとカメラが目線より下の位置になり、上から見下ろすような形になってしまい相手にいい印象を与えませんから、高さを調節する工夫も必要ですね。

尾上 なるほど。それだけでも「目線が合う」形になりますね。

藤吉 「この人は自分の話をきちんと聞いてくれている」という信頼感や安心感につながります。対面で会うとき以上に、オンラインでは目を合わせることを意識したほうがいいですね。

尾上 「話は『短い』ほうがいい」というのも面白いですね。

藤吉 対面でもそうですが、特に「オンラインの場合は簡潔に話したほうが伝わりやすい」と多くの会話のプロが指摘しています。

尾上 それから「子どもをほめる・叱る」という項目も興味深いです。

小川 「子どもをほめる・叱る」のポイントは5つです。1つ目は「『ほめ』は人間関係の潤滑油」。2つ目は「叱ってもいいが、怒ってはいけない」。3つ目は「話し方にメリハリをつける」。4つ目は「相手の目を見る」。5つ目は「『かんたんな言葉』『やさしい言葉』で伝える」。「子どもをほめる・叱る」は、部下をほめる、叱るにも通じる部分があるので、役立つと思いますよ。

「話は人なり」いかに自分を磨くか

尾上 40項目のランキングを順番に読むのもいいですが、付録で目的別に優先順位をつけて読むのも効果的ですね。

藤吉 話し方の本はたくさんあるので、どの本を読めばいいのか悩みますよね。この本では104冊のエッセンスを1冊にまとめていますので、手に取りやすいかなと。100冊の中に1回しか出てこないノウハウよりも、30回、50回、70回と出てくるノウハウを身に付けたほうが会話は上達すると思います。

尾上 本書の「おわりに」で、藤吉さんは「話は人なり」と書かれていますね。

藤吉 なんか偉そうですね(笑)。でも本当にそう思っていますし、思わされました。どんな言葉を話すのか、どんな単語を口に出すのかということには、その人の人生観が出ます。どれだけ自分を磨いてきたかが、最終的には人を感動させる言葉につながります。

小川 話すって365日、毎日のことですよね。ということは、毎日改善のチャンスがある。一度に全部ではなくても、ぜひ、少しずつでも実践してもらえたらと思います。

尾上 小川さんは「おわりに」で、「『話す』ことは楽しい」と書かれていますね。

小川 はい。話すことは、本当は楽しいこと。この本を読みながら、ぜひ話すことを楽しんでいただけたらと思っています。

構成/三浦香代子

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