2000年に原書、2003年に日本語版が発売されて以来、「コンピュータの仕組みがまるごとわかるITエンジニア必読の書」と評され続ける名著が21年ぶりに大改訂。新刊『 CODE コードから見たコンピュータのからくり 第2版 』(チャールズ・ペゾルド著、酒匂寛訳)は何が変わったのか。その読みどころをベストセラー『プログラムはなぜ動くのか』など「なぜシリーズ」の著者・矢沢久雄氏が解説します。
『CODE』という書名から、符号化(エンコード)に関する本かと思われるかもしれないが、それだけではない。情報の符号化からスタートして、情報を処理する論理演算やデジタル回路、コンピュータの構成要素である中央演算処理装置(CPU)やメモリーと話題が進んでいき、ゴールとしてコンピュータを動作させるプログラムの仕組みまでを解説している。もしも、勝手に書名を変更してよいなら「コンピュータとプログラムの仕組み大全」がふさわしいだろう。評者の著書である『プログラムはなぜ動くのか』や『コンピュータははぜ動くのか』をお読みいただいたことがあるなら、両書の内容を一冊にまとめて、徹底的に詳しくしたような本である。この第2版では、特にCPUに関する説明がより詳しくなっている。
著者のチャールズ・ペゾルド氏は『プログラミングWindows』でよく知られている。これは、初期のWindowsの時代に、Windows用のプログラムの作成方法を解説した唯一の本であり、当時のプログラマの必読書であった(現在も最新の環境に合わせた改訂版が発売されている)。評者は、その内容の詳しさと、わかりやすさに大いに感動した。そのペゾルド氏が、コンピュータとプログラムの仕組みを解説しているのだから、これは、すべてのITエンジニアの必読書であろう。とにかく説明がわかりやすい。たとえば、かつて評者は、QRコードの仕組みを調べるためにウェブで様々な情報を見て回ったことがあるが、それらのどれよりも、本書の中でデジタルデータの一例として取り上げているQRコードの説明の方が、はるかにわかりやすい。
書店で本書を立ち読みする機会があれば、まず第18章を見てほしい。時計を作るためのデジタル回路やタイミングチャートが示されている。「こんな難しいこと、理解できるはずがない!」と思うだろう。それなら、第4章を見てほしい。電球のON/OFFを例にして、電気で情報を取り扱う仕組みが示されている。「こんな簡単なこと、説明さなくてもわかる!」と思うだろう。つまり、本書は、基礎の基礎から高度な知識までを、無理なく段階的に理解できるように構成されているのだ。
自動車でも電化製品でも、仕組みを知ると好きになり、好きになると取り扱いも上手になるものだ。本書を読めば、これまで以上にコンピュータとプログラムへの愛着が深まる。それは、業務や趣味でより一層コンピュータとプログラムを活用するための大きな契機になるはずだ。
