「日経の本」のうち、電子書籍で売れている本はどんな本でしょうか。2015年1月~2023年6月まで、8年半の歴代ランキングを公開します。数十年にわたって読み継がれている名著、多くの経営者が薦めるシリーズ、話題のプログラミング書もランクインしています。
まずは、第10位と第9位を紹介しましょう。多くの経営者から絶大な支持を得ている名著、「ビジョナリー・カンパニー」シリーズの2冊がランクインしました。
第10位 『ビジョナリー・カンパニー』
時代を超える偉大な企業、ビジョナリー・カンパニーの秘密を6年に渡って調査し、解説した本です。会社を始めるには素晴らしいアイデアやカリスマ経営者が必要といった「神話」を次々と打ち砕いていきます。「ビジョナリー・カンパニー」シリーズの最初の本で、発行は1995年と約30年前ですが、ロングセラーとして読み継がれています。
第9位 『ビジョナリー・カンパニー2』
9位には、シリーズ2作目の『ビジョナリー・カンパニー2』が入りました。「良い企業」と「偉大な企業」の違いは何なのかを解き明かしていきます。良い企業から飛躍した企業を探し出し、ライバルとの違いも含めて要因を徹底的に調査しています。「だれをバスに乗せるのか」「針鼠(ハリネズミ)の概念」といったユニークな解説も登場します。シリーズの中でも、人気の高い本です。
シリコンバレー関連書が電子書籍では人気
8位から4位までには、シリコンバレー関連書が3冊ランクインしました。IT関連の本は、電子書籍の比率が他のジャンルよりも高いという特徴があります。スマートフォンやタブレットで読書をするという読者が多いようです。
第8位 『独学プログラマー』
ゼロからプログラミングを始め、シリコンバレーですご腕開発者として活躍するに至った著者が、その経験に基づいて効率よくプログラマーになるためのスキルを伝授する本です。Pythonプログラミングの基本に加え、プログラマーとして必要な知識(シェル、正規表現、パッケージ管理、バージョン管理、データ構造、アルゴリズム、仕事の始め方・やり方)もひと通り学べるのが特徴です。「プログラミングを始めたい」「その道でプロを目指したい」――そんな読者に継続して読まれています。
第7位 『「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』
文章には書き手の個性が強く出ることもあって、書く技術は職人的なものだと思われがちです。ですが実際は、小説家たちの個性的な文章ですら、「共通のノウハウ」が意外に多くあります。多くの文章のプロたちは、どんな点を「大切だ」と考えているのでしょうか。
本書では、「書き方」「伝え方」をテーマとする100冊のベストセラーを精読し、共通のノウハウを、大事な順にリスト化しました。100冊分の重要スキルを手っ取り早く身に付けて、プロ級の書く力を手に入れましょう。
第6位 『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』
インテルの共同創業者でCEOを務めたアンドリュー・S・グローブさんが書いたマネジメントの教科書のような本です。最初に発行されたのは1984年、約40年も前のこと。本書は1996年に改訂された本を翻訳したものですが、マネジャーの心構え、チーム運営の方法、人事考課や1on1のやり方など、全く内容が古くなっておらず、本質をズバズバと言い当てている内容に驚きます。『HARD THINGS』著者のベン・ホロウィッツさんが絶賛して序文を書いており、日本の若手起業家やリーダーたちにも再評価されています。
第5位 『ウォール街のランダム・ウォーカー』
1973年の初版以来、全米累計200万部を超え、「投資の名著」として絶賛されるベスト&ロングセラー。本書の主張は「インデックスファンドへの投資がベスト」というシンプルなものですが、類書と異なる点は、なぜ他の投資方法がインデックス投資に比べて劣っているのかを、データを示してしっかり論じているところ。過去のデータを鑑み、アクティブファンドの長期リターンが市場平均を下回ることを証明し、「猿がダーツで選んだポートフォリオを運用するのと等しい」とこき下ろすあたりも、読んでいて痛快かつ明快です。
第4位 『HARD THINGS』
元起業家で現在は投資家として活躍する著者が、直面した数々の困難(HARD THINGS)について語った本です。著者は、シリコンバレーのトップオブトップのベンチャーキャピタル、アンドリーセン・ホロウィッツを率いるベン・ホロウィッツさん。起業しCEOを務めるスタートアップが資金ショートに陥り、無理な上場でなんとかしのぐものの、バブル崩壊で株価が急落。その後も最大顧客の倒産など壮絶すぎる実体験を通して得た教訓を紹介しています。日本の起業家にも深く広く受け入れられ、電子書籍と紙の本を両方持っているという方も多くいる名著です。
第1位はあのミリオンセラー
いよいよトップスリーのランキングです。第3位は2019年に発行し、大きな話題になった『アフターデジタル』です。
第3位 『アフターデジタル』
モバイル決済などが主流となれば、全ての購買行動はオンライン化され、個人を特定するIDにひも付きます。IoTやカメラをはじめとする様々なセンサーが実世界に置かれると、人のあらゆる行動がオンラインデータ化します。
そのような、オフラインがなくなる世界である「アフターデジタル」を理解し、その世界で生き残る術を解説するのが『アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る』です。未来を拓く全てのビジネスパーソンにとって読む価値の高い1冊です。
第2位は、2002年に発行されて紙の書籍も電子書籍もコンスタントに売れ続けている株式投資の本『デイトレード』です。
第2位 『デイトレード』
株式などを売買するトレーダーの必読書としてロングセラーを続けるのが、この『デイトレード』です。全米最強のトレーダー養成機関「プリスティーン」の共同創業者2人が、勝者のセオリーを公開しています。デイトレーダーとして成功するための心構えが凝縮されていて、皆が本当は気付きつつも忘れてしまいがちな事を、表現を変えながら執拗に繰り返し述べています。トレーダーが直面する壁への対処法を教えてくれるでしょう。
そして、堂々の第1位は2019年に発行しミリオンセラーとなった『ファクトフルネス』です。
第1位 『ファクトフルネス』
ミリオンセラーの『ファクトフルネス』は、電子書籍でも多く読まれました。本書は、スウェーデンの医師、ハンス・ロスリングさんとその息子夫婦が書いた「事実に基づく世界の見方」を紹介する本。世界にまつわる13問のチンパンジークイズから始まり、人間の10の本能や思い込みに邪魔されず、ファクトベースで考えられるようになるためのコツを事例と共に解説していきます。データが豊富で真面目な本なのですが、著者のハンスさんのおちゃめぶりに、クスッと笑ったり、最後に涙があふれ出たりする不思議な本です。
なお、20位までのランキングは以下の通りです。









