2024年に最も売れた本は? 小社で刊行している「日経の本」(日経BP/日本経済新聞出版)の売上ランキングを紹介します。1位には良い親子関係のあり方を説く20万部のベストセラーが入りました。また、株式市場や経済の仕組みを解説する投資の本、日本を代表する注目企業を取り上げた本のほか、毎年売れ続けるロングセラーも複数ランクイン。バラエティーに富んだラインアップになっています。
(注)2024年1月~11月の全国主要書店のPOSデータを集計。本文中の部数は2024年12月20日時点。

第10位~第7位

■第10位『 日本製鉄の転生 巨艦はいかに甦ったか

 第10位は『日本製鉄の転生 巨艦はいかに甦ったか』(上阪欣史著)。日本を代表する大企業の復活の軌跡を描いた本が、4万部を突破するヒット作となりました。

 日本製鉄は、社員数が11万人、総資産が10兆円を超え、日本を代表する重厚長大産業の大企業。USスチールを2兆円で買収するという大胆な計画でも注目を集めています。その日本製鉄が、過去最大の最終赤字4300億円を計上した年から血のにじむような構造改革を断行し、やるべきことを最短距離で実行する企業風土へと変容して復活した秘密を明かします。

■第9位『 最後はなぜかうまくいくイタリア人

 第9位は日経ビジネス人文庫『最後はなぜかうまくいくイタリア人』(宮嶋勲著)。2018年1月に刊行された文庫が7年たっても売れ続けて10万部超に。2023年の売上ランキングでも第7位に入っており、驚異的なロング&ベストセラーとなっています。

 「仕事とプライベートは分けない」「美しいか醜いかでビジネスを判断する」など、私たちの仕事の向き合い方に刺激を与えてくれるトピックを豊富に紹介。マンマを中心とする家族関係、恋人との付き合い方、食卓での流儀など、イタリア文化の読み物としても大いに楽しむことができる1冊です。

 2023年秋には全国の書店で本書のPOPコンクールを開催。最優秀賞、優秀賞の書店には賞品を贈りました。その模様は以下の記事で読めます。

■第8位『 「指示通り」ができない人たち

 第8位には日経プレミアシリーズ『「指示通り」ができない人たち』(榎本博明著)がランクイン。2024年3月の発売以来、継続的に売れ続けて増刷を重ねており、5万部を突破しています。

 自分の力量に気づかず、「できる人」のように振る舞って迷惑をかける人、取引先に一緒に行っても、まったく違う理解で物事を進めてしまう人、状況の変化に対応できず、すぐにパニックになってしまう人、そもそも「指示通り」に動くことが難しい人……。そういう職場にいる人たちを紹介しながら、その改善策も一緒に考えていく本です。

■第7位『 はじめる習慣

 第7位は日経ビジネス人文庫『はじめる習慣』。自律神経が専門の名医、小林弘幸・順天堂大学医学部教授のシリーズ第3弾で、第1弾の『 整える習慣 』、第2弾の『 リセットの習慣 』と併せて累計43万部の大ヒットとなっています。

 生き方・働き方のひと工夫から、気持ちの整え方、体の不調のリカバリー術、食、年齢との向き合い方まで、今日からすぐにできる行動習慣を教えます。

 また、本シリーズ3冊から言葉を厳選した『 日めくりカレンダー 毎朝1分の整える習慣 』も販売中です。

第6位~第4位

■第6位『 敗者のゲーム[原著第8版]

 第6位は『敗者のゲーム[原著第8版]』(チャールズ・エリス著/鹿毛雄二、鹿毛房子訳)。「市場と投資の本質」を伝える投資哲学の名著として、世界中で読み継がれてきたベストセラーの最新版です。

 変動するマーケットに一喜一憂する。じっくり考えて決めた投資計画を無視して、高値で買い安値で売ってしまう。そんな経験をしたことがある方は少なくないでしょう。では、市場動向に左右されることなく、大切な資産を守り、実り豊かな人生を実現するには、どうすればいいのでしょうか。

 本書ではその現実的な対応として、インデックス・ファンドへの投資を紹介。個人投資家が押さえるべき運用方針のポイント、成功する投資信託の選び方などについて幅広く解説します。

■第5位『 ユニクロ

 第5位は『ユニクロ』(杉本貴司著)。2024年4月の発売直後から話題を呼び、部数は8万部を突破しています。

 著者の杉本氏は日本経済新聞記者で、創業者の柳井正氏やユニクロ関係者に対して膨大な取材を敢行。数々の挫折を乗り越えた柳井氏の苦闘の物語、共に闘う同志たちとの群像劇を描く一級のエンターテインメントとなっています。また、「失われた30年」を言い訳にすることなくグローバル企業へと歩み続けたユニクロの真実に迫る経営書でもあります。

 本書から抜粋・再構成した日経BOOKプラスの記事も大反響でした。下記で一部を紹介します。

■第4位『 「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?

 第4位は『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか? 認知科学が教えるコミュニケーションの本質と解決策』(今井むつみ著)。2024年5月の発売から勢いが衰えず、12万部を突破しています。本書は「HRアワード2024」で書籍部門の優秀賞を受賞したほか、新聞・雑誌、テレビ、ラジオなどさまざまなメディアで紹介され話題を呼んでいます。

 著者の今井さんは、「うまく伝わらない」という悩みの多くは「言い方を工夫しましょう」「何度も繰り返し説明しましょう」という対策では解決せず、「心の読み方」に問題があると説きます。「伝えること」「わかり合うこと」をまじめに考え、実践したい人のための1冊です。

 日経BOOKプラスでは、今井さんの著書『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』(共著/中公新書)や『学力喪失 認知科学による回復への道筋』(岩波新書)、『AIにはない「思考力」の身につけ方 ことばの学びはなぜ大切なのか?』(ちくまQブックス)などからの抜粋記事を、2024年10月から2カ月にわたり毎日掲載する「#今井むつみさん祭り」を展開しました。

第3位~第1位

■第3位『 さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 最新版

 第3位は『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 最新版 ストレングス・ファインダー2.0』(ジム・クリフトン、ギャラップ著/古屋博子訳)。本書は累計140万部を超えるベストセラー。2023年6月に刊行された最新版が、今年も部数を大きく伸ばしました。

 本書に付属するアクセスコードを使ってウェブテストを受ければ、自分の隠れた才能が分かります。仕事や人生を成功に導く、あなたの「強み」は何か。どう使えば、あなたの「武器」になるか。どんな場面で「最高の力」を発揮できるか。ビジネスやプライベートのさまざまな場面で生きるアイデアやヒントがたくさん詰まった1冊です。

 本書は企業や団体の研修でもよく利用されており、日経BOOKプラスでは活用事例を紹介しています(以下の記事参照)。

■第2位『 転換の時代を生き抜く 投資の教科書

 第2位は『転換の時代を生き抜く 投資の教科書』(後藤達也著)。著書の後藤氏は元日経新聞記者の経済ジャーナリストで、SNS(交流サイト)で絶大な人気を誇ります。発売直後から爆発的に売れ、わずか2週間で13万部に到達しました。

 投資を通じて得られるのはお金だけではありません。株価は景気や企業だけでなく、世界情勢や金融政策、テクノロジー、あるいは社会の変化などさまざまな要素を映し出す鏡です。本書では、現代のビジネスパーソンが備えておくべき株式市場や経済の仕組みの最新知識を解説します。

■第1位『 子どもとの関係が変わる 自分の親に読んでほしかった本

 2024年の第1位は『子どもとの関係が変わる 自分の親に読んでほしかった本』(フィリッパ・ペリー著/高山真由美訳)。2023年10月に発売された本書は、1年以上たった今も高水準で売れ続けており、20万部を突破。SNSでは子育て中の親などからたくさんの感想が上がっており、反響が広がっています。

 著者は、長年、親子関係・人間関係の悩みに向き合い続けてきたイギリスの心理療法士。さまざまな親子の実例をもとに、「自分の生い立ちは子育てにどう影響するか?」「親はどこまで子どもに厳しくするべきか?」「子どもの感情を無視すると、どうなるか?」といった親子関係を見つめ直し、絆を深めるための秘訣を解説。親子関係を良くするための行動指針も紹介します。

「日経の本」2024・売上ランキングTOP20