ゲーム、アニメ、パチンコ、リゾートなどさまざまな「遊び」を提供するセガサミーグループ。東京・大崎にある本社ビルには、約2000冊の蔵書を備えた「THE LIBRARY」と呼ばれる図書スペースがあります。ここに置かれているユニークな仕掛け絵本について、セガサミーホールディングス コミュニケーション推進課の茂呂真由美さんに聞きました。また、茂呂さんがお薦めする本も挙げてもらいました。
前回 「セガサミー 社員の情報感度を高める2000冊の『THE LIBRARY』」
童心に返れる仕掛け絵本
前回は当社の図書スペースである「THE LIBRARY」について説明しました。THE LIBRARYにはグループミッションに関連した7つの書棚だけではなく、仕掛け絵本を手に取れるコーナーもあります。
例えば、有名なものですと、『 不思議の国のアリス(とびだししかけえほん) 』(ロバート・サブダ著/大日本絵画)。アリスがうさぎの穴に落ちていく場面、「EAT ME」と書かれたクッキーを食べて巨大化する場面など、各ページに迫力十分な飛び出す仕掛けが施されています。
ほかにも、『 太古の世界 恐竜時代 』『シャーク 海の怪獣たち』『 絶滅した獣たち メガビースト 』(いずれもロバート・サブダ、マシュー・ラインハート著/わくはじめ訳/大日本絵画)といったユニークな作品をそろえています。
仕掛け絵本はイマジネーションを刺激するだけではなく、誰かと一緒に楽しめばコミュニケーションにも役立ちます。普段、何かの作品を調べようとするとき、スマホやパソコンでササッと検索して終わり、になってしまうことも少なくありません。でも、ここで仕掛け絵本を実際に手に取って、飛び出す仕掛けに驚き、脳の普段とは違う部分も刺激してほしいですね。
セガサミーホールディングス 総務本部 コミュニケーションサービス部 コミュニケーション推進課
セガサミーのビジョンと合う『宇宙兄弟』
続いて、THE LIBRARYに収蔵しているもので私がお薦めする3冊と、THE LIBRARYにはないのですが、個人的にとても役立った1冊を紹介します。
まず1冊目は『 宇宙兄弟 』(小山宙哉著/講談社)。兄弟で宇宙飛行士を目指す名作です。THE LIBRARYでは「生命は創造の源」のコーナーに置いてあります。
主人公の南波六太(ムッタ)は弟思いで、仲間思い。リーダーシップを発揮して、チームビルディングに取り組みます。その中で堅物の上司やひとくせある人に対しても自分の信念を曲げることなく、最終的にはそうした人たちの心を引きつけ、味方にしていきます。革新者であり、積極進取であり、感動体験をみんなに与え──と、まさに当社が目指す、グループミッションそのもの。きっとビジネスパーソンなら、誰しも自分のシチュエーションに置き換え、胸が熱くなるはずです。
2冊目は『 1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術 』(伊藤羊一著/SBクリエイティブ)。
実は私はビジネス書があまり得意ではなく、いつも読みやすい本、分かりやすい本を探しています。論理的に話す方法としてはピラミッドストラクチャーが知られていますが、最初からそうした専門用語が出てくると読むのが嫌になることも……。その点、本書では「結論、根拠、例えば、で話すと相手に届く」と書かれていて明解です。
ロジカルシンキングについてここまで分かりやすく、具体的に説明した本を私は知りません。私はこの本を読むまで、「話が長い」「何を言いたいのか分からない」と言われることがあったのですが、「結論を最初に言うんだ」と意識しているうちに、頭の中が整理されるようになりました。
3冊目も同じく伊藤さんの『 1分で話せ2【超実践編】 世界のトップが絶賛した即座に考えが“まとまる”“伝わる”すごい技術 』(伊藤羊一著/SBクリエイティブ)。先ほど紹介した「1」が「話す概念」について説明したものだとしたら、「2」は「実践編」。実際のビジネスシーンを想定した内容が書かれています。「1」を読んだ人が「『1』を読んで分かったつもりになっているけど、実際にできているだろうか」と確認するのにも役立つと思います。
『1分で話せ』の2冊は私が読み、実際に役に立ったので、THE LIBRARYの「経済と文化を結ぶ」のコーナーに置いてもらうようにしました。
自分が話す言葉の色やフォントを変える
4冊目は、THE LIBRARYにはないのですが、私がとても助けられた本、『 「ひらがな」で話す技術 』(西任暁子著/サンマーク出版)です。伊藤さんの本が分かりやすく勢いのある内容だとしたら、西任さんの本は優しく穏やかに話し方について教えてくれます。
「ひらがなで話す、ってどういうこと?」と思いますが、「漢字で話しても相手は理解できない」ということ。例えば、「私は明日、こうえんに行く」と言っても、相手からは「公園」なのか「講演」なのか分かりませんよね。だから、その文の前後を言葉で補って、「私は明日、子どもと公園に行く」とします。要は相手のことを考えて、伝わりやすく話すのです。
また、面白いのは、「自分が話す言葉の色やフォントは変えられる」という説明。例えば、「ありがとう」と言うときに、自分ならどんなフォントを使って、何色の文字で伝えたいのか。そのような気持ちを込めて話すと相手に伝わる──と西任さんは言っています。私はこの本を読んでから、「この『ありがとう』だったら柔らかいフォントで、色は赤で伝えたいな」などと意識するようになり、気持ちを込めて話せるようになりました。
ビジネスパーソンにとって、仕事での最重要事項は「自分の思いが相手に伝わること」そして「動いてもらうこと」ではないでしょうか。THE LIBRARYのユニークな選書と、私のお薦めの本4冊が参考になればうれしいです。
取材・文/三浦香代子 写真/品田裕美






