今働いているPIVOTでは「読書を通じて思考をブラッシュアップしよう」というカルチャーがあって、オフィスの本棚にはメンバーが資料として読んで参考になった本がずらりと並んでいます。
(ビジネスチャットツールの)Slack上でもしょっちゅう、「おすすめの本」の投稿が飛び交うんです。同僚から得られる情報もまた、僕の世界を広げるきっかけになっています。
『 DIE WITH ZERO 』(ビル・パーキンス、児島修訳、ダイヤモンド社)もその一つ。
個人の資産に関して、遠い先の将来に向けて備えることだけに集中するのではなく、「今この瞬間を大事にして投資せよ」という考えを伝えてくれます。「お金の貯め方」ではなく「お金の使い切り方」に焦点を当てた本で、人生観が変わると注目を集めていた1冊です。
資産運用や投資をテーマにした番組を多く担当する中で、「お金をいつまでにいくらまで貯めるべきか?」というのは大きなテーマだと感じていました。ただ、人生を安心して突き進むための備えは重要ですが、今を楽しむ気持ちも大事。共感できるポイントが多く、また、「自分ならどうするか?」と考えるきっかけを与えられました。
読書を通じて、自分の価値観が浮き彫りになり、より深く思考できるのも大きな意義ですね。たとえ読んでいる間に違和感を覚えたとしても、「こういう考え方には賛同できないんだな」と自分をより明確に知ることができる上質な時間になります。
今日持ってきた、ここ数年で読んだ本をこうして並べて振り返ってみると、テレビ局から映像メディアのスタートアップに転職してからは、圧倒的にビジネスやマネー系のテーマへの関心が強くなっていることがよく分かりますね。
環境の変化や意識の変化、自分自身の成長によって手に取る本も変化する。まさに自分の「今」を映す鏡なのだとよく分かりました。
その意味で、最近の象徴的な変化と言えるのは、英語の本にもチャレンジするようになったこと。英語習得をテーマにした番組を多く手掛けて、英語を学ぶ機会を積極的に持つようになったことの延長で、手に取るようになりました。
日本でも『金持ち父さん 貧乏父さん』(ロバート・キヨサキ著、筑摩書房)の題でベストセラーになった 『Rich Dad Poor Dad』 は、平易な英語で理解しやすく、内容も面白く読み進められるのでおすすめです。番組に出演してくださった英語教育の専門家の方に教えていただき、その日のうちに購入しました。
将来、海外のビジネスにも挑戦したいという目標があり、数カ月前にアメリカに行き、スタンフォード大学も訪ねてきました。学内のショップで自分用のお土産に買ったのが、オリジナルの帽子とTシャツ、そして本を2冊。旅先で本を買うと、そのときの空気感や気持ちをそのまま持ち帰れるような気がして。
自宅の本棚の目につきやすい位置に保管して、時々開いてはスタンフォード大のキャンパスで見た風景や吸った空気を思い出す。そして、また目標に向かって行動する。そんな「一歩を踏み出す装置」になる本はこれからもどんどん手に入れていきたいです。
情報があふれる今の時代、読書は学びのインプット源であり、同時に、揺るぎない自分の軸をつくる材料にもなります。
情報の伝え手として、また、1人のビジネスパーソンとして、豊かな読書体験を積んで、成長を続けていきたいです。
取材・文/宮本恵理子 構成/長野洋子(日経BOOKプラス編集部) 写真/稲垣純也




