Excelでは、範囲をまとめて選択するときに[Ctrl]+[Shift]+方向キーの操作をよく使います。便利なショートカットキーですが、途中に空白セルがあると、その手前で範囲選択が止まってしまうのが難点です。選択範囲が小さい場合はマウスによる選択でも代替できますが、何千・何万行ものデータを扱う場合はキー操作による選択が便利です。ここでは、空白セルに邪魔されることなく範囲選択するキー操作をいくつか演習していきます。このコラムは 『カリスマYouTuberが教えるExcel超時短メソッド』 (Office HARU著、日経BP)よりお届けします。

【目次】
知らないと損するExcel超時短メソッド
第1回  Excelで複雑な数式を使わずにデータを一瞬で分割・結合する方法
第2回  Excelで条件に「当てはまらない」データを即座に選択する方法
第3回  Excelであらゆる機能をたった2つのキーで実行する方法
第4回  Excelの保護ビューを素早く解除する方法
第5回 Excelで「空白」をパスして範囲選択する方法

セルの範囲選択と、選択範囲内のセル移動を使用する

 まずは、選択対象範囲(F列)の近くの列(E列)には、途切れることなくデータが入力されているシーンを見ていきましょう。今回は右端列(F列)のデータ範囲から、見出しを除いた形で選択することを目標にします。

 [Ctrl]+[Shift]+[↓]キーで、E列の最終行まで一括選択します。

 [Shift]+[→]キーで対象範囲を選択したいエリアまで拡張します。

 [Tab]キーでアクティブセルを右に移動します。

 [Shift]+[→]キーで選択範囲をF列に絞ることで、求めていたエリアだけを選択できます。

[Ctrl]+[Shift]+[End]を使用する

 今度は、空白の行が散在していて、近くの列の一括選択に頼れないシーンでの範囲選択方法を見ていきましょう。

 こんなときは、選択したい範囲の1番上のセルをアクティブにして、[Ctrl]+[Shift]+[End]を押します。

 選択したいエリアが右端の列でない場合、基点となるセルをアクティブにして、[Ctrl]+[Shift]+[End]で一度末尾のデータまで選択します。

 [Shift]+[←]で対象範囲を絞っていくことで、必要なエリアだけを選択できます。

 ここで見てきたように、[Ctrl]+[Shift]+[End]は、アクティブセルからデータが入力されている範囲の右下のセルまでを選択するショートカットキーです。範囲はデータの入力状況からExcelが自動で認識しますが、データの作りによっては、正しく認識されないことがあります。その場合、[Ctrl]+[Shift]+[End]を使ってもうまく選択できないので注意が必要です。

 データ範囲が正しく認識されない場合は、次の方法が有効です。

行/列の選択と[Ctrl]+[.]を組み合わせる

 [Ctrl]+[Space]で列を選択します。

 [Ctrl]+[.]で選択範囲の先頭をアクティブにします。

 [Ctrl]+[.]は、選択範囲内の4隅を移動するショートカットキーです。列を選択しているときは、押すごとに列の先頭と末尾を行き来できます。選択範囲の先頭がアクティブな状態で、[Ctrl]+[Shift]+[↑]キーを押します。これによって、ワークシートの最終行まで選択していた範囲が、データの最終行までに絞られます。

 次に、[Ctrl]+[.]で末尾のデータをアクティブにします。

 [Shift]+[↓]で見出しのセルを対象範囲から外します。

 [Enter]キーもしくは[Tab]キーを押して、先頭のセルに戻ります。これで、求めていた範囲だけを選択できました。

 行の場合は[Ctrl]+[Space]の代わりに[Shift]+[Space]を使用すれば、同じ要領で範囲選択ができます。データ範囲が正しく認識されなくても利用可能なテクニックなので、覚えておくといざというときに安心です。

 ここで紹介したメソッドは、以下の動画でも確認できます。

YouTubeの 【Excel講座】空白があっても一気に範囲選択できるショートカットキー★早く知りたかった!★ です。

 第6回は、Excelで表示されているデータだけを選択してコピーする方法を紹介します。