Excelには、特定の条件に当てはまるデータを抽出する「オートフィルター」という機能があります。しかし、実務ではその反対に、条件に「当てはまらない」データだけを抽出したいケースがままあります。指定した条件「以外」を抽出する方法を知っておくと、データ加工の幅が格段に広がるので、関連するショートカットキーとセットで紹介します。このコラムは 『カリスマYouTuberが教えるExcel超時短メソッド』 (Office HARU著、日経BP)よりお届けします。

【目次】
知らないと損するExcel超時短メソッド
第1回  Excelで複雑な数式を使わずにデータを一瞬で分割・結合する方法
第2回 Excelで条件に「当てはまらない」データを即座に選択する方法
第3回 Excelであらゆる機能をたった2つのキーで実行する方法(6月23日公開)

指定のデータ以外を削除する

 ここでは、社内システムから抽出したデータの掲載情報を、プレゼン資料用に整理する、というシチュエーションを例に取って解説していきます。以下の表のF列にある[担当者]欄で「青山」に該当しない行をまとめて削除してみましょう。

 [Ctrl]+[Shift]+[↓]で指定のデータ範囲を選択します。[Enter]キーもしくは[Tab]キーで、「青山」と入力されたいずれかのセルをアクティブにしておきます。

 [Ctrl]+[Shift]+[¥]を押します。

 [Ctrl]+[-]を押し、[削除]のメニューを開きます。

 方向キーもしくは[R]で行全体を選択し、[Enter]で実行します。

 [Ctrl]+[Shift]+[¥]を複数回押すと、選択対象のデータを段階的に絞っていくことができます。

指定のデータ以外を編集する

 続いて、B列の[出荷先]欄で「東京」に該当しないデータをまとめて「東京以外」に書き換える例を見ていきます。[Ctrl]+[Shift]+[↓]で指定のデータ範囲を選択し、[Ctrl]+[Shift]+[¥]でアクティブセル以外を選択するところまでは、先ほどの例と同じです。

 「東京以外」と入力して、[Ctrl]+[Enter]を押します。

 [Ctrl]+[Shift]+[¥]は[選択オプション]ダイアログボックスにある[アクティブ列との相違]に割り当てられたショートカットキーです。これまで見てきたように、選択範囲内にあるアクティブセルと異なるデータが入力されたセルを「縦」方向に検索して一括選択できる機能です。ちなみに、選択範囲内にあるアクティブセルと異なるデータが入力されたセルを「横」方向に検索して一括選択したい場合は[アクティブ行との相違]という機能を使用します。同機能のショートカットキーは[Ctrl]+[¥]が割り当てられています。

 [Ctrl]+[Shift]+[¥]を覚えておけば、これまでフィルターで絞り込んでからデータを削除したり、1つずつ文字列を置換したりしていた作業を一気に効率化できます。当てはまるシチュエーションで試してみてください。

 ここで紹介したメソッドは、以下の動画でも確認できます。

YouTubeの 【Excel講座】「Ctrl+Shift+¥」の威力を知ってますか?★超便利!★ です。

 第3回は、あらゆる機能をたった2つのキーで実行する方法を紹介します。