複数のスライドがある場合、どのような順番で構成すべきなのか? 基本的な考え方は、目的と結論のペアを作り、それらを物語になるように並べるというものだ。その改善テクニックを、『 ロジカル資料作成トレーニング コンサルタントが必ず身につける定番スキル 』(丸健一著/日経BP)から抜粋・再構成してお届けする。

複数枚でうまくストーリーを作るには

 今回は、複数枚の資料をうまく構成する方法をお伝えしよう。基本的な考え方は、目的、結論のペアを作ること、その次にそれらを物語になるように並べるというものだ。

 簡単な事例で見てみよう。あなたがパン屋さんを運営していて、売り上げが落ちているので新しい商品を作りたいと考えているとしよう。部下と手分けして各自で検討し、考えた結果の資料を持ちよった。

 あなたが作った資料の目的と結論のペアは下記の2つだ。

目的:来てほしいお客さんを決める
結論:夕方に学校帰りの学生さんのつまみ食いにパンを買ってほしい。しかし、他の時間帯と比べ、夕方の売り上げが落ちているので、学生さんの売り上げを回復したい
目的:来てほしいお客さんが他のパン屋さんでよく買うものを明らかにする
結論:斜向かいの競合店舗では、学生がよくシナモンやチョコの粉がかかっているチュロスを買っているのを見かけると、アルバイトの複数社員が言っていた

 一方で、部下はこんな資料を作っていた。

目的:競合にない自店舗商品は何か?
結論:競合の方が品揃えが多く、自店舗にしかない商品がない

 3つの資料は、それぞれ商品を決めるために関係がありそうな話をしているが、実は違う話をしている。また、結局、何の商品を作るかは決められていない。あなたは顧客の視点からものを見ていて、顧客がよく買う商品を探している。一方で、部下は競合と自店舗の差に着目している。

 どうやら、来てほしいお客さんが競合店でよく買っているものはわかっていて、さらに少なくとも競合店の方が、自店舗より商品の種類が多そうなことはわかる。が、この情報だけでは、お客さんが競合店でよく買う商品が、自社にあるのかないのかは確証がない。

パン屋さんの商品開発はどのような手順で考えるべき?(写真/Shutterstock)
パン屋さんの商品開発はどのような手順で考えるべき?(写真/Shutterstock)
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目的を組み合わせてストーリーを組み直す

 お客さんがよく買う商品が、自社にもあるのに買われていないのか、そもそも自社に置かれていないのかで、対応方針は違いそうだ。もしないのであれば、まずは同じ商品を作ってみることもできる。こういうときは、目的を組み合わせながら、ストーリーを組み直してみる。

目的:(顧客は誰か?)

目的:(顧客が買う商品は何か?)

目的:(顧客が買う商品が自社にあるか?)

目的:(結局、新たに作る商品は何か?)

 当然新しく目的が設定されたら資料は作り直さなくてはいけないが、むやみやたらに作るよりも、効率性が高まる。仮の結論も添えると、作業の効率性が上がる。

目的:(顧客は誰か?)
結論:最も売り上げの減少幅が大きい、学生顧客を対象とする

目的:(顧客が買う商品は何か?)
結論:学生は競合店でチュロスを買っている

目的:(顧客が買う商品が自社にあるか?)
結論:自社にはチュロスがない

目的:(結局、新たに作る商品は何か?)
結論:チュロスを作るべき

 この作業に慣れてくると、資料作成を開始する前に、目的と結論の一連の流れを作ることができるようになる。コンサルティング会社の社員がよく書いている資料作成の教科書や仮説思考の本に、「先にメッセージを作りなさい」と書いてあるのと同義だ。

 間違っていてもいいから資料の目的・結論の構成を先に作ると、資料を作る側が何を自分たちが分析・整理しているかわかるので、効率性がとても高まるのである。

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