内容紹介
桓武天皇、新田義貞、井伊直弼--人生を変えた「天候」の真実。自然科学と人文科学を融合させた歴史エンターテインメント!おすすめポイント
あの人物の人生を変えた「天候」の真実!綿密なデータと文献資料に基づき気候と人類の歴史を描くことで高い評価を得ている著者による書き下ろし6冊目。
『気候で読む日本史』では、気候変動とそれに伴う政治文化の変遷や農業技術の進歩がテーマでした。本作では、歴史上の人物に焦点を当て、その人生に大きく影響を与えた要素として「気象・気候」をとらえます。
登場人物は、歴史ファンに人気がある戦国、幕末はもちろん、奈良、平安、鎌倉、江戸中期とバリエーションを持たせ、女性として中宮定子も取り上げます。
自然科学と人文科学を融合させた歴史エンターテインメントです。
●新田義貞
2022年の大河ドラマの舞台として注目を集める鎌倉時代から1人。『気候で読む日本史』で最も話題を呼んだ、海面水位の変動が可能にした「稲村ケ崎の突破」の真実を掘り下げる。さらに、琵琶湖周辺の峠越えで寒波と大雪で多くの将兵を失った名将のその後も描く。
●織田信長
当時としては異例の鉄砲3,000丁を用意して兵に配布し、新戦法三段撃ちを行ったとされる長篠の戦いは、実は梅雨の時期に行われた。雨に弱い火縄銃を使用した戦いに、「天正三年の梅雨」はどう味方したのか。資料から当日の天気を再現する。
●桓武天皇
飢饉により頻発する蝦夷の反乱。天皇は征夷大将軍坂上田村麻呂を派遣、英雄アテルイを討伐させる。一方、造営中の長岡京は洪水により水没。異常気象に起因する桓武天皇治世下の二大事業の全貌を描く。
●中宮定子
本書の紅一点。藤原道隆の長女であり、一条天皇の皇后となった定子が生きた時代は、異常気象による疫病が大流行した時代だった。彼女の人生を、同時代を生きた清少納言の「枕草子」などから読み解く。
●徳川吉宗
享保の改革で名高い江戸時代きっての名君の治世は、天候不順による大飢饉の時代でもあった。吉宗は国家的危機をどう乗り切ったのか。知られざる「享保の飢饉」の実態に迫る。
●井伊直弼(&水戸浪士)
尊王攘夷運動が激化する端緒となった大老の暗殺という前代未聞の大事件は、安政7年3月3日、グレゴリオ暦だと1860年3月24日に起こった。当日降り積もった季節外れの大雪は、自らを赤穂義士になぞらえる水戸浪士を奮起させ、襲撃においても彼らに大きく味方した。この季節外れの大雪はなぜ降ったのか