内容紹介

幸せが続くまちを支える「経営」と「テクノロジー」
「パーパス都市経営」が未来を拓く


「パーパス都市経営」とは、「パーパス経営」と「都市経営」を併せ持つ言葉として、本書で新しく定義したものです。「パーパス都市経営」が目指すのは「幸せが続くまち」です。それは「ウェルビーイングが高いまち」であるとも捉えられます。

まちのパーパス(存在意義)となる「ウェルビーイングの向上」の実現に向けて、民間の行動原理の観点を取り入れた「経営の視点」と「データ」を活用しながら、経営を持続的に回し続けていく。

それが「パーパス都市経営」です。

人口減少、少子高齢化、インフラ老朽化が進むなか、効果的な手立てを打つことができずに、孤独で不便な生活を受け入れたまちになるのか。最先端の技術、新しいビジネスで課題を解決し、地域コミュニティに支えられて、住民がウェルビーイングの高い暮らしを営むまちになるのか――。

明るい未来には「パーパス都市経営」が欠かせません。そのカギを握るのは「データ活用」「スマートシティ」「都市OS」「投資と回収への意識」です。

「パーパス都市経営」は、まちづくりを担っている自治体だけがかかわるものではありません。そのまちに暮らす住民や、まちづくりに役立つノウハウを持つ企業や団体なども「パーパス都市経営」に関与するパートナーになります。

健康、交通、観光、防災といった分野で、どのような新たなビジネスを生み、ウェルビーイングを高めていくのか。本書では豊富な事例をもとに、データを活用した新しいビジネス展開のヒントをご提供します。

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企業人も必見! ビジネスにも適用できるデータ活用の基礎がここに
豊富な事例からウェルビーイング向上の戦略を分析


―推薦のことば―
「未来のまちづくりは ウェルビーイングが指標になる」
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授
前野隆司氏

「経営的な考え方をしないと 地方都市は成り立たなくなる」
前富山市長
森雅志氏

「都市経営はどのように変わるのか。そのヒントが本書にある」
株式会社国際社会経済研究所 理事長
藤沢久美氏
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―目次―
第1章 「幸せ」はどこからやってくる?
1-1 「未来のまち」の姿を予想する──ホラーシナリオ
1-2 「未来のまち」の姿を予想する──ハッピーシナリオ
1-3 私たちが目指すべき「まちのウェルビーイング」とは?

COLUMN 1
ウェルビーイング時代の到来は必然だった
未来のまちづくりはウェルビーイングが指標になる
前野隆司氏(慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授)

第2章 「幸せが続くまち」を実現する「経営的マインド」とは?
2-1 スマートシティと「ウェルビーイングが高いまち」の関係
2-2 これからのまちに必要な「パーパス都市経営」
2-3 まちのウェルビーイングを高めるための経営の本質
2-4 達成すべき「目的」と「目標」
2-5  変化に対応する「運営」と「経営」
2-6 まちにおける「顧客」と「資源」
2-7 回し続けるための「投資」と「回収」
2-8 「コア・コンピタンス」と「きょうそう」を大切にするまちづくり
2-9 パーパス都市経営がつくる「ウェルビーイングが高いまち」の経済循環

COLUMN 2
民間のアイデアを柔軟に取り入れる体質に自治体も変わっている
一緒に提案型のビジョンをつくると仕事が進めやすい状況に
森雅志氏(前富山市長)

第3章 これからのまちを経営するのは誰か?
3-1 まちの経営の担い手は誰か?
3-2 パーパス都市経営を行う、これからの自治体
3-3 パーパス都市経営を行う、これからの住民
3-4 パーパス都市経営を行う、これからの企業
3-5 パーパス都市経営を行う、これからの協議会
3-6 地域らしいまちの経営をどう進めていくか?

第4章 パーパス都市経営に必要なまちの装備
4-1 データにもとづくパーパス都市経営へ ─データが持つ意味
4-2 パーパス都市経営を支える都市OS(データ連携基盤)
4-3 パーソナルデータの活用と流通に必要なこと
4-4 データを活用したパーパス都市経営は「人」で回す
4-5 その先の未来のまちを創造するもっと新しい技術

第5章 ともに創る未来への提言 ~あなたのまちの戦略~
5-1 未来に向けた提言
5-2 提言1 「集合知」で立ち向かう
5-3 提言2 将来のためにいまから始める
5-4 提言3 地域らしい戦略にこだわる
5-5 小さな成功を積み重ねる新たなチャレンジ

<著者について>
西岡満代(にしおか・みつよ)
株式会社国際社会経済研究所 研究主幹
NEC 入社後、グローバル市場向けに、無線通信、モバイルインターネットサービス、IoT、SDN/NFV、サイバーセキュリティなど、主に通信キャリア向けソリューションの事業を推進。途中北米ボストンへの出向を経て、現在は、データ利活用を通じた価値創出や共創の力でスマートシティの社会実装に取り組むとともに、シンクタンクである国際社会経済研究所の研究主幹として、産官学民を問わずスマートシティに携わるリーダーと、目指すスマートシティ像の研究に携わっている。