内容紹介

昨今の働き手不足の現状を踏まえ、従業員を削減し、省人化と効率化を重視した経営に走る外食や小売りが多い中、「丸亀製麺」や「Kona's Coffee」「天ぷら定食まきの」などいくつもの外食ブランドを傘下に抱えるトリドールホールディングスは、実店舗での人間による接客を重視する“真逆”の経営で成功を収めてきました。

人をどんどん雇い、その従業員を大切にして、従業員が「内発的動機」によって動くようにすることが、ひいては顧客の満足度向上、店舗の収益アップ、地域社会との良好な関係の構築などにつながる――。
こうした考え方とこの考え方に基づく日々の実践を、トリドールグループでは「心的資本経営」と名付け、実践しています。

この「心的資本経営」は理念だけのものではありません。
トリドールグループ全体でこの考え方を実践していくため、顧客の満足度や従業員のモチベーションなどを具体的な数値(データ)で示す手立ても開発しています。

さらに、個人の成果だけでなく、仲間の成長を支える行動そのものを正当に評価する人事評価制度「MAHARO(マハロ)」も「Kona's Coffee」で導入が始まっています。

トリドールホールディングス創業社長の粟田貴也氏がたどりついた「心的資本経営」の神髄とは何か――。
その考え方とそこに至った背景、具体的な取り組み、今後の展望などを粟田氏自身が解説します。

トリドールと同じ外食や小売関係のビジネスパーソンはもちろん、トリドールグループ躍進の理由に興味を示す他企業の経営者や経営企画部門などのビジネスパーソンにも、役に立つ一冊です。


<主な内容>
●はじめに

●第1章 心的資本経営で企業は進化する

     次世代の成長エンジン「ハピカン繁盛サイクル」
     内発的動機がハピカン繁盛サイクルを回す
     従業員の幸福実感を高める「四つの要素」
     「幸せ」の構造を分析した「ハピネスモデル」

●第2章 データサイエンスで科学的に検証

     必要なのは“感性”と“データサイエンス”の二律両立
     マーケティングでデータサイエンスの実績を積む
     革新的な経営思想には客観的な裏付けが必須
     お客様の感動体験をデータ化する「感動スコア」
     三回の取り組みで独自のヒアリング技術を開発
     従業員と一対一のAIインタビューでデータを収集
     ハピカン繁盛サイクルのアルゴリズムを構築
     ハピネススコアと感動スコアから売上収益を予測

●第3章 ハピカン経営を推進する取り組み

     「誇り」を醸成する「麺職人制度」
     グループ全体の仲間が集う「ハピ←カン!コミュニティ」
     ハピカン経営に不可欠な双方向のコミュニケーション
     データサイエンスでもコミュニティーの効果が認められた
     心的資本経営の羅針盤「ハピカンダッシュボード」
     AIレコメンドと二つのダッシュボード
     心的資本経営では「あえてマニュアル化しない」
     従業員の家族にも幸せなひとときを

●第4章 “心”に重点を置く評価制

     必要なのはボトムアップのリーダーシップ
     ハピカンオフィサー制度
     高額の報酬でも妥当な理由
     二〇二八年までに三〇〇人のハピカンキャプテン
     育てたことへの評価「マハロ」
     個人のホスピタリティーを存分に発揮
     感謝された分だけ報酬が増える仕組み
     仲間への感謝を確認するため
     業態別、ブランド別に最適な人事評価制度

●第5章 社会・地域貢献が成長の鍵となる

     社会貢献と地域貢献が内発的動機を高める
     丸亀製麺ゆかりの香川県丸亀市の事例
     北海道美瑛町及び徳島県の事例
     本社のある東京都渋谷区の事例
     飲食店以外の施設の開業など多彩な貢献活動
     地域貢献に対する個人的な思い
     ご近所さんに愛される店をつくろう!
     社会・地域貢献もデータサイエンスで解析
     応援すれば応援してもらえる

●第6章 「感動体験」から「ハピカン」へ

     ハピネス+カンドウ=ハピカン
     実験的に出店した丸亀製麺一号店
     商売繁盛の極意は海外でも通用する
     コロナ禍で外食産業のビジネス環境が激変
     「省人化」では感動体験が生まれない
     従業員の“心”をどれだけ大切にしたか
     「ハピカン経営」の推進を社員に宣言
     ハピネスを知るための全国行脚

●第7章 心的資本経営で拓くリテールの未来

     外食のお店は“楽しい場所”だった
     人にしか感動はつくれない
     これまでのやり方ではもう通用しない
     購買行動で意思表示する時代
     「トップダウン」は今の時代に合わない
     お店が“自分の居場所”になってほしい

●おわりに