内容紹介

◆「ゴールベース資産管理」は、日本においても、広がりを見せてきた。顧客と長期の契約を模索し、丁寧に顧客に向き合って資産を管理しようという証券会社が増えてきたことが背景にある。生き方の多様化・長寿化に対応した「ゴールを明確にした資産管理」は、近年の投資環境とあいまって、今後さらに盛り上がりを見せると思われる。

◆2016年には、『ゴールベース資産管理入門』(原題・Personal Benchmark)を野村グループの翻訳で2016年に出版。本書は、その後の様々な日本の取り組みと事例について、日本の識者が様々な角度から解説するもの。

◆執筆者の所属は、野村證券、野村総合研究所(NRI)、NRIアメリカ、野村資本市場研究所などとなっており、日米の比較や、様々な調査からの示唆を得られる。

目次

第1章 ゴールベース資産管理とは

1. ゴールベース資産管理とは
2. なぜゴールベース資産管理が求められるのか?
3. 新しい金融サービスとしての「ゴールベース資産管理」
   :短期的なリターンから、長期的な安心へ
4. ゴールベース資産管理における「ゴール」
5. ゴールベース資産管理の流れ
6. 行動ファイナンスが果たす役割
7. ゴールベース資産管理の誕生・発展と、日本での普及の歴史

第2章 発祥地米国から見たゴールベース資産管理の虚実と真髄

1. 発祥地米国におけるゴールベース資産管理の概念整理と歴史的な生成・発展過程
2. 米国における「ゴールベース資産管理」の具体的なプロセス
3. ゴールベース資産管理における顧客セグメンテーションと営業員リソース配分の最適化
4. ゴールベース資産管理の推進と遂行に必要な業務・ITインフラ
<補論>米国のファイナンシャル・アドバイザー市場の構造と概観

第3章 日本におけるゴールベース資産管理の取り組み

1. 本章の位置づけと狙い
2. 資産運用アドバイザーサービスへの関心の高まり
3. 資産運用アドバイスサービスの提供に関する金融機関の取り組み
4. ゴールベース型資産運用アドバイスへの注目
5. ゴールベース型資産運用アドバイス提供の課題
6. 日本の金融機関における預かり資産ビジネスの実態とゴールベース型資産管理
7. 個別金融機関の取り組みの例:野村證券を例に

第4章 日本の顧客は何を望んでいるのか?

1. 日本の顧客のゴールベース資産管理への取り組みの実態
2. 日本におけるゴールベース資産管理のポテンシャル
3. 顧客にとってのゴール
4. 伴走者として選ばれるアドバイザーの要件
5. 顧客ニーズへの対応に関する日本の金融機関の課題

第5章 ゴールベース資産管理の課題と提言

1. 筆者間の意見交換から浮かぶ「ゴールベース資産管理」取り組みへの示唆
2. 実務者の声

参考文献
索引