不確実性の高まる世界情勢、高市新政権への期待、労働人口の減少、AI(人工知能)のさらなる進化……どの業界に飛躍のチャンスがあり、企業はどう備えるべきなのか。幅広いシーンで活用されている『日経業界地図 2026年版』から、要注目分野の「業界地図」を紹介する。ランサムウエアをはじめとするサイバー攻撃に対処する「サイバーセキュリティー」業界を見ていこう。
デジタルを基盤とした生活が広がり、サイバーセキュリティーへの関心は一段と増している。コロナ禍を経て浸透したテレワークにより会社内外の境界はなくなり、「エンドポイント」と呼ばれるユーザーの端末を守る対策がますます重要になった。多くの仕事や生活がデジタル化、オンライン化されたことで、パソコンやオンラインへの依存度が増しており、情報漏洩を含むサイバーリスクも一段と増している。
最近の動向
「ランサムウエア」の被害が拡大している。ランサムウエアは、システムを停止させ、その復旧と引き換えに身代金を要求する攻撃手法であり、2024年にKADOKAWA、カシオ計算機、25年に東海大学が被害を受けた。
サイバー攻撃に対する国レベルの体制強化も進む。警察庁が22年にサイバー警察局を設置したほか、防衛省は27年度までにサイバー関連部隊を4000人にまで拡充する計画。日本政府は、サイバーセキュリティー政策を指揮する「国家サイバー統括室」を25年に立ち上げた。
官民ともに専門人材の不足が深刻化しており、育成のための体制づくりが急がれる。
業界規模
セキュリティーソフトウエアの国内市場規模:5861億100万円(2024年、IDC Japan)
キーワード
【能動的サイバー防御】
外部からの通信を常に監視することで攻撃の予兆を察知し、危機と判断した際には攻撃を無力化するための措置を講じること。国内では関連法が2025年5月に成立、27年までに完全施行する。
[日経クロステック 2026年1月13日付の記事を転載]
日本経済新聞社編/日本経済新聞出版/1980円(税込み)
日本経済新聞出版編/日本経済新聞出版/1760円(税込み)


