不確実性の高まる世界情勢、高市新政権への期待、労働人口の減少、AI(人工知能)のさらなる進化……どの業界に飛躍のチャンスがあり、企業はどう備えるべきなのか。幅広いシーンで活用されている『日経業界地図 2026年版』から、要注目分野の「業界地図」を紹介する。生成AIとクラウドの普及で建設ラッシュにある「データセンター」業界を見ていこう。
データセンターは、サーバーやストレージ(記憶装置)などのIT機器を集約して効率よく運用するための施設。内部には空調や電源、運用監視などの設備も設置し、クラウドサービスの提供や企業のデータ保管、人工知能(AI)の開発など用途は幅広い。
データセンター事業者が運営主体となり、クラウド事業者や一般企業などに貸し出して利用料を得るのが基本的なビジネスモデルだ。
最近の動向
アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)など米クラウド大手がAIの普及に伴うデータ処理量の急増を見越し、巨額のデータセンター投資計画を打ち出している。こうした需要の取り込みを狙って国内外で建設ラッシュが続く。通信会社やIT企業のほか、電力や不動産など異業種参入も相次ぐ。
環境負荷の高まりも懸念されている。AIは学習や推論の際に膨大な計算を行う。国際エネルギー機関(IEA)は2030年にデータセンターの電力需要が現状比2倍以上の945テラ(テラは1兆)ワット時に達すると予測。運営事業者を中心に、温暖化ガスの排出量を抑え十分な電力を確保する工夫が始まっている。
業界規模
世界のデータセンター市場:5730億ドル(82兆5693億円)(2026年予測、独スタティスタ、25年7月発表)
キーワード
【ハイパースケール】
生成AIの開発などに使われる巨大なデータセンターのこと。十分なデータ処理能力を確保できるようにサーバーの設置面積や受電容量、サーバー冷却能力などを従来より大幅に拡張してある。
[日経クロステック 2026年1月19日付の記事を転載]
日本経済新聞社編/日本経済新聞出版/1980円(税込み)
日本経済新聞出版編/日本経済新聞出版/1760円(税込み)



