その本の「はじめに」には、著者の「伝えたいこと」がギュッと詰め込まれています。この連載では毎日、おすすめ本の「はじめに」と「目次」をご紹介します。今日は瀧口友里奈さんの『 東大教授の超未来予測 』です。
【はじめに】
なんだか未来が漠然と不安だ。
昨今、これまで以上にそんな思いを抱かれていらっしゃる方も多いのではないでしょうか? 人工知能(AI)をはじめとして、科学やテクノロジーの加速度的な進化を受けてこれから自分はどう生きていくべきなのか、仕事のことも、子どもの教育のことも、将来に不安を感じているような方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本書は、現在ますます見通しづらくなっているように感じる「未来」を、東京大学で最先端の研究をされている異分野の教授の先生方に集まっていただき予測していただいたものです。普段は一堂に会する機会がなかなかないという異分野の教授同士が会話し問いを投げかけ合うことで、これまでにはないような形の「未来予測」が浮かび上がってきました。しかも、予定不調和な生々しい会話の中でお一人お一人の頭の中、知の集積が予想できないようなセレンディピティとして結実し、表現されています。〝濃い原液〞のようなアカデミアの一次情報を鮮度そのままに味わっていただきたく、心を込めて編集いたしました。
また、特にビジネスパーソンの方にとっては、ビジネスの未来を読み解く上でも大変重要な情報が詰まっています。AIはかつてインターネットが登場した時のように、もしくはさらに遡ると電気が登場した時のように現在、生活やビジネスに不可欠なベースとなりつつあります。そしてAIに限らずテクノロジー全般が指数関数的なスピードで進化していることにより、これまでのビジネスの前提が根底から覆される時代にすでに差し掛かっています。
経済キャスター/ビジネスジャーナリストとしてこれまで10年以上にわたって経済分野、中でもイノベーション、スタートアップ、テクノロジーの分野を専門的に取材し続けてきた私の変わらぬ原動力は、このような時代の地殻変動とも言える現象の解像度をいち早く高めてお伝えすることで、社会のイノベーションの加速を〝情報の力〞を通してサポートしたいという思いです。時代の進化を先取る良質な情報が多くの方に届くことによって、日本で健全なイノベーションが加速し、世界をリードする国としての存在感が発揮されることを望んでいます。
そして、テクノロジーによる社会の地殻変動の源泉をたどり取材を続けていくと、いつしか企業だけではなくアカデミアへとたどり着き、アカデミアのメディア「アカデミアクロス」を立ち上げることになりました。現在、日本最大級の再生数をいただいているアカデミアYouTubeメディアとなっています。本書はその中で私がプロデューサーと司会を務める〝東大教授たちの「超」未来予測〞という動画コンテンツに大幅加筆増補を施した〝完全版〞です。
本編の序章ではまず「半導体」「情報通信工学」を扱い、「エヌビディアの次は?」といったテーマについても先生方に話していただいています。そして第1章では、動画でも大変好評だったシリーズ、SF映画さながらに変容する未来の姿について「自動運転」「人間拡張」「量子力学」などを。第2章では「AI」「バイオテクノロジー」などの話を中心に、未来のビジネスにつながる最先端テクノロジーや医療ヘルスケアの最前線について。第3章では、「環境工学」「都市工学」「サステナビリティ」をテーマに「50年後の地球環境がどうなっているか」まで。全編を通してサイエンスやテクノロジーの専門家こそが知り得る、今後の社会やビジネスの地殻変動についてお話しいただいています。本書でしかなかなか得ることのできない、東大教授の先生方の貴重な洞察の数々が詰まっています。皆様のビジネスに、また人生にとって、本書が未来を照らす1冊となってくれることを祈念しております。
なお、先生方はそれぞれの専門分野外の話までふんだんにしています。ぜひ「正しい、正しくない」という尺度だけで内容を測ることなく、「学ぶって楽しい!」「研究って楽しい!」、そんな思いも読者の皆様に感じていただきたいと期待しながらこの本を編集しました。普段なかなか見ることのできない、先生たちの生き生きとした知的好奇心にあふれる様子もお楽しみいただけたらと思っております。
それでは、知の巨人たちが想像力をフルで楽しむ、知のワンダーランドへようこそ。
瀧口友里奈
【目次】











