第2次世界大戦後、世界の復興需要をつかんだ1950年代のアメリカは消費ブームに沸き、どこでも使える「クレジットカード」が必要とされていました。バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)は、どのようにして汎用クレジットカードのインフラを構築したのでしょうか。その業績を『 マンガ ビジネスモデル全史〔新装合本版〕 』(三谷宏治・著/星井博文・シナリオ/飛高翔・画)から抜粋してお届けします。
汎用クレジットカードの誕生
第2次世界大戦後、世界の復興需要をつかんだ1950年代のアメリカは、消費ブームに沸いていました。多くの信販会社が生まれ、消費者は月賦でモノを買いまくり、多くの信販カードと、毎月送られてくる何枚もの請求書と格闘していました。なんにでも、どこででも使える、汎用の「クレジットカード」が必要とされていました。
1950年にダイナースクラブがニューヨークでスタートさせて以来、十数の銀行がクレジットカードを発行していましたが大きくはなっておらず、バンク・オブ・アメリカ(以下、バンカメ)によるバンカメリカード(BankAmericard)が最初の大規模な参入でした。
汎用クレジットカードが成功するには、利用者にとって「どこでも使える」ことが必須です。そのためには加盟店を増やさなくてはなりません。いったん加盟店が十分多くなれば、利用者が増えて、それが加盟店のさらなる増加につながります。「ネットワーク効果」というやつです。でも、そこにたどり着くまでは、加盟店や利用者の獲得に膨大な投資を続けるしかありません。
最初の実験はまさかの大失敗
バンカメは初期のローンチに大失敗します。1959年、ロサンゼルス近郊で実験的に展開しましたが、滞納者が予想を大きく上回っただけでなく、大量のクレジットカード詐欺に見舞われ、約2000万ドル(現在の価値で約720億円)もの損失を出しました。それでもそこから学んで展開をやり抜き、やがてそれは、世界を覆うクレジットカードネットワーク「VISA」となりました。
それまでに比べて、
(2)加盟店にとっても、手数料は取られるが顧客サービスにつながり、参加業種が広がった
(3)カード発行者にとってクレジット収入が得られる
(4)巨大な専用ITネットワークを必要とする装置型事業
という特徴がありました。
クレジットカードを一般顧客に(無料<フリー>で)広くばらまき、小売店などビジネス側への課金で収益を上げるという点で、「フリーミアム」の一種といえるでしょう。
国によって差はありますが、2014年には全個人決済のかなりを占める(日本15%、フランス32%、イギリス38%、韓国43%、アメリカ45%。三菱UFJリサーチ&コンサルティング調べ)、強固な社会インフラとなりました。
しかしそれでもまだ、カバーできていない為替・決済分野がいくつもありました。それがマイクロペイメント(少額決済)とモバイルペイメント(携帯決済)です。
シナリオ/星井博文 画/飛高翔 編集協力/トレンド・プロ
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三谷宏治・著/星井博文・シナリオ/飛高翔・画/日本経済新聞出版/2090円(税込み)




