仕事が忙しくて新しいことに挑戦できない、子育てに追われて自分の時間がない…「時間」に悩む人への特効薬がある。経営者、コンサルタント、著述家、講演家と一人何役も軽々とこなし、難関の国家資格も取得。そんな時間管理の達人が教える「時間リッチ」になるヒント。今回は「朝イチを最大限に活用する時間術」。日経ビジネス人文庫『やりたいことを全部やる!時間術』(臼井由妃著)から抜粋・再構成してお届けする。

朝の1時間は夜の3時間に匹敵

 「朝の1時間は夜の3時間に匹敵する」という説もありますが、実際にやってみると、これほど集中力を発揮できる時間はないと実感するでしょう。
 朝をどう生かすか、その習慣だけで、デキる人とデキない人の差がつくのです。

 私の周囲の成功している人を見渡すと、圧倒的に「朝型人間」が多いようです。

  • 遅くまで仕事をしても朝は6時に起床し、英会話の勉強をしてから出社する人
  • ラッシュ時を避けて早く出社し、皆が出社する頃には仕事の準備が整っている人
  • 体を鍛えるために毎朝早朝のランニングを欠かさない人

 成功する人は、早朝の時間を有効活用することで、それぞれ成果を上げています。

 早朝は電話やメールも少ないから、誰にも邪魔されず自分の時間を確保できる唯一の貴重な時間です。それに朝は心身ともにスッキリしていて、物事もはかどるのです。

 一方、夜は、残業やつき合いが入るので自分の予定が立てづらいものです。
 それだけでなく、何よりも仕事の疲れがたまっている時間帯です。
 眠い目をこすりながら勉強したり無理に体を動かしたりしても、あまりいい成果は望めないでしょう。

 それならお風呂に入って寝てしまって、その分、翌朝早く起きて自由な時間を確保したほうがいいのです。

「朝イチ・イチ」でうまくいく

 私の場合は、朝を「イチ・イチ」のルールに従って使っています。
 「商談など大切な仕事は朝イチにする」「イヤなことは朝イチに片づける」で「イチ・イチ」というわけです。1つずつ説明していきましょう。

 まず、「商談など大切な仕事は朝イチにする」とは、頭の働きがもっともよいときに大切な仕事をするという意味です。

 人間は朝起きてから3時間から5時間ほどが、頭の働きが非常に活発であるといわれています。
 例えば、朝6時に起床する人であれば、午前9時から11時の間が、頭の働きが一番いいということになります。

 ですから、この時間帯に難しい仕事や絶対に成果を出さなければいけない仕事をするようにスケジュールを立てます。

 なかでも、新製品の売り込みや取引先との値段交渉といった数字がモノをいう仕事は朝一番に行うといいでしょう。

 1日の始まりでやる気もみなぎっている上に頭の働きも活発。
 始業直後なのでメールや電話も少なく、商談の邪魔もされません。
 元気よく仕事ができて成果も上がる。まさに「ゴールデンタイム」です。

朝を制する人が時間を制する(写真:blvdone/stock.adobe.com)
朝を制する人が時間を制する(写真:blvdone/stock.adobe.com)
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朝イチの商談は利点ばかり

 時にはあえて、「朝9時には出社されますよね。でしたら、その時間にうかがいます」と、こちらから朝イチに商談を提案してみましょう。

 いくつかの理由があるのですが、まず一般に、朝一番から来客の予定を入れる人は少ないのでアポイントが取りやすいからです。

 それに朝一番ならば、先客がいることはありません。
 「先のお客様との打ち合わせが長引いておりまして」と待たされることがないから時間の無駄がないのです。

 また、午前9時始業の会社でも、9時に仕事の準備ができて、エンジン全開で仕事ができる状態になっている人はあまりいません。
 出社して「まずはコンビニで買ったコーヒーでも飲んでから」というスタンスの人が多いのです。

 そんな相手が油断をしている、仕事モードになっていない朝一番に相手のオフィスに訪問すれば、こちらが優位に商談を進めることができるのです。

 待たされてイライラすることもなく、商談の主導権を握ることができる「商談は朝イチ」のルールは効果絶大です。
 これらは、私が経営者時代に実践して大変に効果があったものです。

イヤなことは朝イチに片づける

 やりたくない、楽しくない、気分が乗らない。でもやらなければいけない重要な仕事ってありますよね。
 会社を経営していた当時の私の場合は、人事に関することがそれにあたりました。

 社員を育てるためには、厳しい言葉を投げかけなければいけないときがあります。
 しかし、人を諭したり注意したりすることが、私は大の苦手。
 愛情を持って言葉を選び、発言しても、相手を傷つけるのではないかといつも不安になったのです。

 何も言わずそのままにしておけば、他の社員の士気が下がります。
 言うことをためらい先延ばしにすれば、それがいつも頭の中を占領して「早く言わなければいけない、言わなければ状況はますます悪くなる」というイライラが発想力や行動力の邪魔になるのです。

 やらなければいけないことを先に延ばしても楽になることなどありません。
 いいことなど1つもないのです。

 ですから、イヤなことは先に手をつける。
 朝一番にイヤなことを片づけて、あとはゆっくりと楽な仕事をする。
 これが鉄則と考え、ある時期から人事に関することは朝イチに対応していくように切り替えました。

 朝からイヤなことを成し遂げたら、その達成感からあとの仕事ははかどります。
 さらに、仕事で起こるストレスや疲れをもその日1日感じなくなります。

 朝一番を制する人は、時間の主導権を握れる人であり、仕事のデキる人です。

日経ビジネス人文庫『 やりたいことを全部やる!時間術
時間管理の達人が教えるONとOFFのコツ

10万部突破のベストセラー。経営者、コンサルタント、著述家、講演家と一人何役も軽々とこなし複数の国家資格も取得。そんな時間管理の達人が教える「時間リッチ」のヒント集。会議は「1発言1分」が基本、イヤなことは朝イチに……時間と心とお金に余裕ができる!

臼井由妃著/日本経済新聞出版/880円(税込み)