その本の「はじめに」には、著者の「伝えたいこと」がギュッと詰め込まれています。この連載では毎日、おすすめ本の「はじめに」と「目次」をご紹介します。今日は矢沢久雄さんの『 データベースをなぜつくるのか 知っておきたいE-R図とSQLの基礎 』。「はじめに」と「おわりに」をお届けします。
【はじめに】
筆者は、長年に渡ってIT企業の新人研修で、コンピュータ・システムに関する講師をしています。新人さんたちが予習や復習をしやすいように、その教材として市販書籍を使ってきたのですが、データベースの分野では、なかなかよい書籍がなくて、毎年のように教材を変えていました。それなら、いっそのこと、自分で書いてしまおう! と一念発起し、本書を執筆しました。
本書のテーマは、さまざまなコンピュータ・システムで重要な役割を果たしている「データベース」です。その基礎知識をイチから説明したうえで、データベースの設計で使われるE-R図と、データベースの実装で使われるSQLを詳しく説明します。Pythonというプログラミング言語を使って、データベースを利用するプログラムの作り方も示します。これらを知れば、データベースの仕組みが具体的にわかるだけでなく、その具体的な作り方もわかります。このように具体的にデータベースがわかる教材が欲しかったのです。
著者はこれまで、既刊の『プログラムはなぜ動くのか』『コンピュータはなぜ動くのか』(ともに日経BP)のように、「ものごとの本質を知る」ことを重視して、コンピュータ・システムの基礎を説明してきました。本書も同じです。データベースの本質をつかみながら、具体的な使い方を身につけていただければと思います。
本書には、手書きでE-R図を作成する実習と、フリー(無償)で入手できるDBMS(データベース管理システム)を使ってSQLを実行する実習が、数多く用意されています。プログラミングの実習もあります。可能であれば、ぜひ実習を行ってください。具体的なやり方が身につくだけでなく、理解が深まって楽しいからです。ただし、実習を紙上体験できるように、E-R図を作成した例、SQLを実行した例、およびプログラムを実行した例を、すべて本書に掲載しています。
本書の内容は、IT企業の新人研修向けなので、ITエンジニアでなくても、コンピュータの基礎知識がある人なら、誰でも難なく読みこなせるはずです。本書で、データベースへの理解と愛着を深めていただければ幸いです。
2025年4月吉日
矢沢 久雄
【おわりに】
日経BPの「なぜシリーズ」には、既刊として『プログラムはなぜ動くのか』『コンピュータはなぜ動くのか』『情報はなぜビットなのか』『Windowsはなぜ動くのか』『Javaでなぜつくるのか』『オブジェクト指向でなぜつくるのか』『ネットワークはなぜつながるのか』『検索エンジンはなぜ見つけるのか』『電話はなぜつながるのか』『携帯電話はなぜつながるのか』『システムはなぜダウンするのか』『クルマはなぜ走るのか』『ハイブリッドカーはなぜ走るのか』(順不同)があり、新刊の本書『データベースをなぜつくるのか』が14冊目になります。実は、かなり早い段階から、データベースをテーマにした「なぜシリーズ」を作ろうという話があったのですが、「なぜ○○のか」の「○○」の部分、つまりデータベースの何を知る本にするかが決まらずにいました。このたび、データベースの具体的な作り方を知る本として、本書を書かせていただきましたが、いかがだったでしょうか。データベースへの理解と愛着を深めていただけたなら幸いです。
【目次】



