1冊10分で読める書籍要約サービス「flier(フライヤー)」では現在2900冊以上の要約を提供、企業向けの「法人版」を通して多くのビジネスパーソンに活用されています。さて、どんな人が、どんな本の要約にアクセスしているのか。2022年9月の「年代別」ランキングを算出しました。「今、読んでおくべき本」を選ぶ際に、ぜひお役立てください。

 書籍要約サービス「flier」の2022年9月「年代別」ランキングです(対象期間:2022年9月1日~30日)。20代、30代、40代、50代、60代で、それぞれトップ10を算出しました。

■20代
順位 書籍名 著者名 出版社名
1 最高のチームはみんな使っている 心理的安全性をつくる言葉55 原田将嗣(著)、石井遼介(監修) 飛鳥新社
2 1週間に1つずつ。 いつも調子がいい人の 体を動かす習慣 休める習慣 鈴木知世 ディスカヴァー・トゥエンティワン
3 ものの見方が変わる 座右の寓話 戸田智弘 ディスカヴァー・トゥエンティワン
4 リセットの習慣 小林弘幸 日経BP 日本経済新聞出版
5 「めんどくさい」が消える脳の使い方 菅原洋平 ディスカヴァー・トゥエンティワン
6 誰でもできるのに9割の人が気づいていない、お金の生み出し方 今井孝 幻冬舎
7 やらかした時にどうするか 畑村洋太郎 筑摩書房
8 運動脳 アンデシュ・ハンセン、御舩由美子(訳) サンマーク出版
9 なぜ、あの人には何でも話してしまうのか 心理カウンセラーのすごい「聞く技術」 山根洋士 アスコム
10 DXビジネスモデル 80事例に学ぶ利益を生み出す攻めの戦略 小野塚征志 インプレス
■30代
順位 書籍名 著者名 出版社名
1 最高のチームはみんな使っている 心理的安全性をつくる言葉55 原田将嗣(著)、石井遼介(監修) 飛鳥新社
2 リセットの習慣 小林弘幸 日経BP 日本経済新聞出版
3 1週間に1つずつ。 いつも調子がいい人の 体を動かす習慣 休める習慣 鈴木知世 ディスカヴァー・トゥエンティワン
4 「めんどくさい」が消える脳の使い方 菅原洋平 ディスカヴァー・トゥエンティワン
5 やらかした時にどうするか 畑村洋太郎 筑摩書房
6 人的資本の活かしかた 組織を変えるリーダーの教科書 上林周平(著)、田中研之輔(監修) アスコム
7 ものの見方が変わる 座右の寓話 戸田智弘 ディスカヴァー・トゥエンティワン
8 誰でもできるのに9割の人が気づいていない、お金の生み出し方 今井孝 幻冬舎
9 DXビジネスモデル 80事例に学ぶ利益を生み出す攻めの戦略 小野塚征志 インプレス
10 「人的ネットワーク」づくりの教科書 グロービス経営大学院(著)、田久保善彦(監修) 東洋経済新報社
■40代
順位 書籍名 著者名 出版社名
1 最高のチームはみんな使っている 心理的安全性をつくる言葉55 原田将嗣(著)、石井遼介(監修) 飛鳥新社
2 リセットの習慣 小林弘幸 日経BP 日本経済新聞出版
3 ものの見方が変わる 座右の寓話 戸田智弘 ディスカヴァー・トゥエンティワン
4 1週間に1つずつ。 いつも調子がいい人の 体を動かす習慣 休める習慣 鈴木知世 ディスカヴァー・トゥエンティワン
5 「めんどくさい」が消える脳の使い方 菅原洋平 ディスカヴァー・トゥエンティワン
6 名医が教える飲酒の科学 一生健康で飲むための必修講義 葉石かおり(著)、浅部伸一(監修) 日経BP
7 「人的ネットワーク」づくりの教科書 グロービス経営大学院(著)、田久保善彦(監修) 東洋経済新報社
8 人的資本の活かしかた 組織を変えるリーダーの教科書 上林周平(著)、田中研之輔(監修) アスコム
9 やらかした時にどうするか 畑村洋太郎 筑摩書房
10 DXビジネスモデル 80事例に学ぶ利益を生み出す攻めの戦略 小野塚征志 インプレス
■50代
順位 書籍名 著者名 出版社名
1 最高のチームはみんな使っている 心理的安全性をつくる言葉55 原田将嗣(著)、石井遼介(監修) 飛鳥新社
2 リセットの習慣 小林弘幸 日経BP 日本経済新聞出版
3 1週間に1つずつ。 いつも調子がいい人の 体を動かす習慣 休める習慣 鈴木知世 ディスカヴァー・トゥエンティワン
4 ものの見方が変わる 座右の寓話 戸田智弘 ディスカヴァー・トゥエンティワン
5 「めんどくさい」が消える脳の使い方 菅原洋平 ディスカヴァー・トゥエンティワン
6 経営12カ条 経営者として貫くべきこと 稲盛和夫 日経BP 日本経済新聞出版
7 ほっこり 心身をすこやかに整える55の小さなレッスン 伊藤裕 クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
8 DXビジネスモデル 80事例に学ぶ利益を生み出す攻めの戦略 小野塚征志 インプレス
9 「人的ネットワーク」づくりの教科書 グロービス経営大学院(著)、田久保善彦(監修) 東洋経済新報社
10 名医が教える飲酒の科学 一生健康で飲むための必修講義 葉石かおり(著)、浅部伸一(監修) 日経BP
■60代
順位 書籍名 著者名 出版社名
1 リセットの習慣 小林弘幸 日経BP 日本経済新聞出版
2 最高のチームはみんな使っている 心理的安全性をつくる言葉55 原田将嗣(著)、石井遼介(監修) 飛鳥新社
3 ものの見方が変わる 座右の寓話 戸田智弘 ディスカヴァー・トゥエンティワン
4 1週間に1つずつ。 いつも調子がいい人の 体を動かす習慣 休める習慣 鈴木知世 ディスカヴァー・トゥエンティワン
5 名医が教える飲酒の科学 一生健康で飲むための必修講義 葉石かおり(著)、浅部伸一(監修) 日経BP
6 終止符のない人生 反田恭平 幻冬舎
7 経営12カ条 経営者として貫くべきこと 稲盛和夫 日経BP 日本経済新聞出版
8 ウェルビーイング 前野隆司、前野マドカ 日経BP 日本経済新聞出版
9 共感ベース思考 IT企業をやめて魚屋さんになった私の商いの心得 森朝奈 KADOKAWA
10 「めんどくさい」が消える脳の使い方 菅原洋平 ディスカヴァー・トゥエンティワン

30代、40代が「リーダーの任務」に注目

 20代~50代の1位、60代でも2位と年代を越えて支持を集めたのが『最高のチームはみんな使っている 心理的安全性をつくる言葉55』(原田将嗣著、石井遼介監修、飛鳥新社)。会議を活性化させる言葉(第2章)、1on1が楽しみになる言葉(第3章)、お客さまと取引先を「パートナー」に変える言葉(第5章)など様々なシーンごとに、つい使いがちな「やる気をなくす表現」をどのように言い換えればいいのかが具体的に示されています。

 同書と同様、チームリーダーを主要読者とし、30代、40代でそろってランクインしたのが「人的」をタイトルに持つ2冊でした。

 『人的資本の活かしかた 組織を変えるリーダーの教科書』(上林周平著、田中研之輔監修、アスコム)は、人材を効率よく使う旧来の「やりくり型」組織を脱して、人材から利益を生み出す「レバレッジ型」組織への転換を図るための具体的な手法を解説。『「人的ネットワーク」づくりの教科書』(グロービス経営大学院著、田久保善彦監修、東洋経済新報社)は、ビジネスパーソン800人超の調査結果から得た知見をベースに人脈のつくり方、ビジネスへの生かし方を体系的に説いています。

 長く続く「コロナ環境」にあって、例えばリアルなコミュニケーション機会の減少が、チームづくりや人脈づくりの障壁になっている…と頭を悩ませている人は多いでしょう。しかし、ただ手をこまぬいているわけにはいきません。こんな今だからこそ、新たな環境にマッチした「人的」な関係を再構築する取り組みが必要とされているはずです。

50代、60代の関心は「習慣」「生き方」

 「習慣」をタイトルに持つ2冊も、全年代で上位にランクインしました。

 『1週間に1つずつ。 いつも調子がいい人の 体を動かす習慣 休める習慣』(鈴木知世著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)は、鍼灸(しんきゅう)院の院長で東洋医学研究家でもある著者が、季節の変化に応じて変わる体の状態などを解説。『リセットの習慣』(小林弘幸著、日経BP 日本経済新聞出版)は、前著『整える習慣』とシリーズ累計16万部超と高い支持を集める自律神経の名医が「悪い流れを断ち切る」99の行動術を説きます。

 こうした「心身を日々整える」というテーマでは、50代で『ほっこり 心身をすこやかに整える55の小さなレッスン』(伊藤裕著、クロスメディア・パブリッシング インプレス)、60代で『ウェルビーイング』(前野隆司、前野マドカ著、日経BP 日本経済新聞出版)、50代と60代で『名医が教える飲酒の科学 一生健康で飲むための必修講義』(葉石かおり著、浅部伸一監修、日経BP)がランクインしており、年齢層の上昇とともに関心の高まりが見て取れます。

 ノウハウ的な内容の書籍が広く支持を集める中、60代では『終止符のない人生』(反田恭平著、幻冬舎)や『共感ベース思考 IT企業をやめて魚屋さんになった私の商いの心得』(森朝奈著、KADOKAWA)がランクイン。いずれも若い世代の果敢なチャレンジの様子がつづられた作品で、そこには即効的な役立ち感とはまた別の、「生き方」そのものに関心を寄せるさまがうかがえます。

 改めてランキングを眺めると、50代、60代で『経営12カ条 経営者として貫くべきこと』(稲盛和夫著、日経BP 日本経済新聞出版)がランクインしていることも、その文脈でとらえることが可能かもしれません。希代の名経営者、稲盛和夫さんの遺作となった本書はタイトル通り、経営に必要な12カ条が具体的に示されますが、そこにあるのはノウハウ的にくくりきれるものではなく、その人生を通して見いだした「生き方の指針」にほかなりません。

(写真:Shutterstock)
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2022年9月 必読の1冊 from flierランキング

『最高のチームはみんな使っている 心理的安全性をつくる言葉55』

原田将嗣(著)、石井遼介(監修)
飛鳥新社
1650円
2022年8月14日刊

<おすすめポイント>

 仕事をする上で、言葉をまったく使わない日はないだろう。だが私たちは、自分が発している言葉にどのくらい気を配っているだろうか。

 本書はチームの心理的安全性を高めるための本だ。著者によれば、心理的安全性とは「誰もが率直に思ったことを言い合える」こと。変化の激しい時代において、チームで力を合わせて最高の成果を出すためには、心理的安全性が欠かせないという。

 では、どうすれば心理的安全性を確保できるのか。著者の答えは「言葉を変えること」だ。すなわち、あなたも今この瞬間から、チームの心理的安全性を高めるための取り組みを始められるということだ。

 本書では、すぐに使える「心理的安全性を高める言葉」が55種類掲載されている。そのうちのひとつが、チャレンジフルなチームをつくる言葉として紹介されている「〇〇さんのチャレンジをシェアさせてください」だ。この言葉は、チャレンジした人を称賛・承認できるだけでなく、挑戦を歓迎する文化を根づかせるためにも有効である。リーダーを中心にこうした声かけを続ければ、挑戦へのハードルが下がるとともに、挑戦を称賛するチームになれるだろう。

 その意味を理解し、正しい文脈で使うならば、誰もがチームを変えられる――。本書を読んで、言葉の持つ可能性を感じつつ、「心理的安全性をつくる言葉」を積極的に使ってチームの絆をより強いものにしてほしい。
(ライター:池田明季哉)

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