内容紹介

SNSを眺めていると目に入る「#〇〇界隈」。界隈はヒット商品や新市場を生み出す仕組みとしても機能している。本書は、マーケティングやブランディングの実務に長年かかわってきた著者が、「界隈」を経済圏として捉え、そこでの市場開拓を成功させるポイントを解説する。界隈経済圏の形成メカニズム、状況の読み取り方、従来のコミュニティとの共通点と相違点、商品やサービスが「界隈の必須アイテム」へと押し上げられていく流れ、マーケティングの新理論として注目されるCEP(カテゴリー・エントリー・ポイント)による界隈経済圏の攻略法などを事例とともに紹介する。

目次

第1章 「界隈」の正体 「銀座界隈」から「推し界隈」へ
 「#○○界隈」って、そもそも何?
 「場所」から「自称ラベル」へ
 いま存在している「○○界隈」たち
 「界隈」はどう〝市民権〟を得ていったのか
 ファンダムでもファンベースでもない「半歩ズレた存在」
 ファンダムは「作品」、ファンベースは「ブランド」、界隈は「テーマ」
 「界隈起点」で見ると、マーケティングの景色が変わる
 界隈とは「自分の世界の地図」である

第2章 界隈経済圏の形成メカニズム 「小さな共通体験」から「市場シフト」へ
 誕生から成長に至る4つのステップ
 ステップ①きっかけの瞬間─小さな共通体験に「名前」がつけられる
 ステップ②内輪の熱狂─ナラティブがモノに意味をつける
 ステップ③熱の拡散─内輪ノリが外側ににじみ出る
 ステップ④市場シフト─気づけば「当たり前」が書き換わっている
 小さな輪が市場を動かすとき、何が起きているのか

第3章 界隈を測る 〝ざわめき〟の聞き方と判断のKPI
 界隈ごとの〝性格〟
 まずは「数」より「カーブ」に注目する
 「きっかけの瞬間」を測る
 「内輪の熱狂」を測る
 「熱の拡散」を測る
 「市場シフト」を測る
 数字の裏側にある人の暮らしと笑いを忘れない

第4章 コミュニティ論から界隈を考察する
 人の集まりの「仕組みとしてのまとまり方」
 コミュニティ感覚をもたらす4つの要素
 メンバーシップ(境界線の共有)
 影響力(相互に効き合う力)
 ニーズの統合と充足(互いに満たし合う)
 感情的つながり(経験と物語の積み重ね)
 界隈とコミュニティの違い
 界隈は「状況の束」として見るべき

第5章 界隈民からのヒット商品 小さな輪が「定番」をつくるまで
 「なんで最近、この商品がやたら並んでるの?」
 午後ティー:「甘くない優しさ」が無糖紅茶界隈の日常を乗っ取るまで
 オイコス:筋トレ界隈の冷蔵庫を席巻する〝白いプロテイン神話〟
 たまごっち:平成女児界隈の〝世話焼きセラピー〟
 目に優しいグリーンノート:勉強界隈の集中力を支える〝黒板ノート〟
 SALONIA:ドライヤーキャンセル界隈の〝めんどくさい〟を味方に
 界隈発ヒットの共通点は「共感の積み重ね」

第6章 界隈とうまく付き合っている好調企業
 ドン・キホーテ:界隈が交差する〝雑多の楽園〟
 アシックス:皇居ラン界隈を支え、海外で「オニツカ」を育てる
 YAMAP:登山界隈をみんなで安全にする

第7章 CEP(カテゴリー・エントリー・ポイント)で界隈熱をつかまえる
 マーケティングの基本STPの理想と限界
 別の角度からマーケティングとブランディングを整理したCEP
 ライトユーザーが積み上げる売上の重要性
 界隈はCEPを量産してくれる装置
 CEPを探すための質問セット「W’s フレームワーク」

第8章 小説「界隈経済圏をCEPで攻略せよ」
 第1幕:「勝ちパターンを見つけろ」と言われても
 第2幕:数字になる前の兆候
 第3幕:短くて正直な言い訳
 第4幕:思い出す状況
 第5幕:説教しない。あおらない。
 第6幕:店頭が「面」で変わり、数字が跳ねる
 第7幕:界隈経済圏ビューアー