この連載では毎日、おすすめ本の「はじめに」と「目次」をご紹介します。今日はDAMA International(編著)、DAMA 日本支部 Metafind コンサルティング株式会社(監訳)の『 データマネジメント知識体系ガイド 第二版 改定新版 』。「翻訳者序文」をお届けします。
【翻訳者序文】
データの世界へようこそ。
データは現実の世界を映し出すミラーである。現実が変わればデータも変わる。現実が過去のものになればデータは履歴となる。履歴データから未来を予測することもできる。
外界が生きているのと同じようにデータも生きている。データにはライフサイクルがある。過去、現在、未来、どの時点においても外界とつながらないデータには意味がない。
実在する商品、製品、サービス、人材、不動産、それぞれに品質があるようにデータにも品質がある。高品質データとは、実在の品質が良くても悪くても、その状態を正確に描写し、実在するモノどうしの多様な関係も正確に描写したデータである。
高品質データは資産である。逆に低品質データはリスクとなる。高品質なデータが無ければ業務を遂行できなかったり、間違えたり、やり直したりする。このようにデータは企業活動を支えるインフラであり、空気や水、電気のように我々が普段気付かない価値を提供する。さらに近年においては、データを活用して高度な決定を下し、業務を自動化し、市場を把握し、未来を予測できる。データは新たな価値を生み出している。
データはIT(情報技術)に属するものでもなければITのために存在するものでもない。ITを利用するが、それはデータをビジネスに活かすためである。本書で何度も強調されているのは、業務とITとの協力である。業務関係者がもっとITを知り、IT関係者がもっと業務の視点を持つことが肝要である。データとITはビジネスにとって強力な武器であり、高品質な武器を持つ企業が勝ち残っていく。
本書『データマネジメント知識体系ガイド第二版』はデータから価値を生み出す方法を様々な角度から解説した600ページを超える大著である。国際的に著名で経験豊かなデータマネジメント・プロフェッショナルの知見がすべての章に詰まっている。業務や組織、人に焦点を当てた章、ITを掘り下げた章、哲学的な章など、合計17章から構成されている。
2011年に第一版、2018年に第二版の日本語版が発売され全ての章が一から書き直された。6つの章が追加され、ページ数は1.5倍になった。新しい章には、時代の要請に応えて書かれたもの(データ取扱倫理、データ統合と相互運用性、ビッグデータとデータサイエンス)と、組織に焦点を当てたもの(データマネジメント成熟度アセスメント、データマネジメント組織と役割期待、データマネジメントと組織の変革)がある。データ活用に向けて孤軍奮闘している方々は第17章「組織の変革」をぜひ読んでいただきたい。成し遂げようとしていることの本質がつかめるはずである。今回の第二版改定新版では各章の軽微な修正と、第13章データ品質の構成の変更、記述の追記が施されている。
初めに各章のイントロダクションを通読するのもよし、興味がある章を選んで熟読するのもよし。経営者、業務担当者、IT担当者、コンサルタント、立場によって読者の視点は異なるだろうが、それぞれの役割に応じたやるべきことが見えてくるはずである。
読者の皆様の良き伴侶として本書をいつも手元においてほしいと願っている。
2024年6月
翻訳チーム一同
【目次】
































